株式会社 鑑定法人エイ・スクエア-Appraisal Firm A square-

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2024年4月1日より相続登記義務化スタート - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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近年社会問題となっている、所有者不明土地の「発生の予防」と「利用の円滑化」の両面から、令和3年4月21日に「民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)」が成立した(公布は同月28日、以下「改正法」)。全国的に「所有者不明土地」が増えている背景として、改正前は「相続登記の申請」や「住所等の変更登記の申請」が義務付けされておらず、何代も相続を重ねることによって、相続人が増えて収拾がつかなくなっていたことや、仮に申請をしなくても不利益を被ることが少ないことなどが指摘されていた。   そこで所有者不明土地… [続きを読む]

バブルを超えたか? - 鑑定法人エイ・スクエア/大森利

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2024年2月22日日経平均株価終値が1989年12月の終値3万8915円87銭を超えた。不動産価格もバブルを超えたという意見もある。バブル入社世代の私は、当時の浮かれた気分を記憶していて、現在とは全く異なる雰囲気を懐かしく思い出しつつ、ここで当時と同程度まで達した(といわれている)現在の株価と不動産価格について比較してみたいと思う。   まず<株価>である。 当時の長期プライムレートは6.5%であった。ドル円の為替は150円程度、円安を背景に輸出企業が外貨を稼ぎ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」、誰もが今… [続きを読む]

救急救命と災害 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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令和6年1月の能登半島地震により被害を受けられた地域の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。皆様の一日も早い復旧・復興を心からお祈り申し上げます。   昨年2023年(令和5年)9月1日は関東大震災(1923年(大正12年)9月1日発生)から100年の節目の年に当り防災力強化の訓練が全国で行われました。また、29年前の1月17日には阪神淡路大震災(平成7年(1995年)1月17日発生)の地震により、1階部分が押しつぶされたビルや民家が10万棟以上という大規模被害が発生しました。建物の耐震基準が強化された198… [続きを読む]

インドネシア首都移転 - 鑑定法人エイ・スクエア/矢野知英子

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年が改まり、清々しい空気とともに寒さが身にしみるこの頃です。この寒さを過ごしていると、以前滞在していた常夏インドネシアが恋しく思われます。   インドネシアの国土は日本の約5倍の広さで、人口は世界4位の約2.7億人です。総人口の5割が30歳未満という若い国で、その半数がジャワ島に住んでいます。インドネシアの首都ジャカルタは政治・経済の中心地であり、1千万人以上の人々が住む大都会です。高層ビルが建ち並び、進化し続ける都会的な一面がある一方、オランダ統治時代の建物が並ぶ旧市街や、ローカルなマーケット、屋台が軒… [続きを読む]

浜松市における20年間の地価動向 - 坂井不動産鑑定所/坂井悠人

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浜松市は、静岡県の西部に位置し、人口約80万人の居住する政令指定都市です。海・川・湖・山などの自然環境に恵まれ、沿岸部・都市部・中山間地域が存在する多様性から「国土縮図型都市」と呼ばれています。 また、日本有数のものづくり都市として知られ、何事にも果敢に挑戦してみようという気質「やらまいか精神」が根付いて数々の産業を創出しており、江戸時代からの綿織物と製材業、近代の三大産業と呼ばれる繊維・楽器・輸送用機器、近年の光技術・電子技術関連等の先端技術産業と時代に応じて多くの企業が発展・集積した技術集積都市です。そんな浜松… [続きを読む]

「山林でキャンプ場経営を」 - 鑑定法人エイ・スクエア/矢野知英子

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山を所有していたり相続が発生したりした場合、その土地をどのように活用したらよいか困っている方が多いのではないでしょうか。 先日山林の鑑定評価を行いましたが、そのお客様はキャンプ場を経営されていました。そこは都心から車で1時間ほどのアクセスの良さで、丹沢と道志川に囲まれた大自然を満喫できる場所です。夏は川遊び、春は桜、秋は紅葉と四季折々の自然を堪能できる関東近郊の人気の高いキャンプ場です。キャンプ未経験の私ですが、大自然に囲まれたキャンプに大いに魅力を感じました。都会の喧噪を忘れ、夜は焚き火の前でキャンプ飯なる物を食… [続きを読む]

湘南に乗り遅れたまち「平塚」 - アール不動産鑑定/宮代亮二

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9月20日、令和5年都道府県地価調査(令和5年7月1日現在の地価)が公表されました。神奈川県内の地価動向は、住宅地が2.1%(前年0.8%)、商業地が4.3%(同1.9%)、工業地5.2%(同3.9%)といずれの用途も上昇率が拡大しました。   住宅地についてみると、生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化を受け、郊外部の地価も上昇しており、湘南エリアも総じて堅調な伸びを示しています。   一方、小職が、現在事務所を置く、平塚市(「湘南どこまで」論争がありますが。)の住宅地の地価は、前年の… [続きを読む]

人生100年時代の88の節目 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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人生100年時代と言われてからコロナ禍のなか巣ごもり状態が3年強続き2023年4月頃からインバウンド旅行者が急増、観光地は勿論のこと、東京都内の公園、繁華街に旅行者が押し寄せています。喜ばしい状況とみて良いのでしょうが・・?   私も80歳に手が届くようになり、新聞、ニュース等の訃報記事で有名人の年齢が気になるようになってきました。80歳代から90歳を超える年齢が多いようです。私は勝手に人生八十八年がその人の人生の集大成、節目と感じています。   そのような時に東急沿線の月刊コラム誌「SALUS… [続きを読む]

賃料交渉のお悩みには - 鑑定法人エイ・スクエア/大森利

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継続賃料を求める鑑定評価がある。この鑑定評価や調査の依頼が最近とても増えている(ように感じる)。継続賃料とは、不動産を新たに賃貸借する場合ではなく、賃貸借を継続する際に現行賃料をどう改定するか、なのだが、借り手は安く借りたいし、貸し手はできるだけ高く貸したいのであり、かつ長期間にわたり続く関係の中でもあるので、双方落としどころが難しく、第三者の意見として不動産鑑定士に依頼があるわけである。   借り手と貸し手との関係が悪化し調停や裁判のために必要となるもあれば、逆に関係会社間の賃貸借ではコンプライアンス上… [続きを読む]

よこはまの情報誌 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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新型コロナ感染症拡大が漸く2022年末頃から収束傾向となってくる頃、それまでのAIからChatGPT等により生成AIが登場してAIと人間との関連議論が経済論壇を賑わせてきています。   人間の経済活動が生成AIを活用して一体化が進展してくると社会生活にどの様な変化が生じてくるのか興味は尽きませんが、それは別の機会に譲ります。   さて、コロナ明けで人の流れや旅行者が急激に広がってきていますが、大衆週刊誌「週刊朝日」の休刊記事(2023年5月末)を見ました。インターネット、とりわけスマホの普及にと… [続きを読む]

チャットGPTの新しい風 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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最近、チャットGPTに代表される「生成AI」という言葉に出会わない日はない。昨年11月に公開されたこの米国発のテクノロジー技術の革新性のすごさが、この短期間での社会への浸透度で推し量れる。   その活用については、業界、業種によりハードルの高さはさまざまなようだが、業務の高度化や効率化を図るという観点からはチャレンジすべきと考える。   即ち、生成AIは文書の要約や企画提案書の作成を(ミスはあっても)瞬時にこなすため、生産性の向上が図られ、余剰となった戦力をAIでは代替できない、例えば営業やコン… [続きを読む]

復活する日本唯一のホーバークラフト - 長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

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大分市と大分空港(大分県国東市)を結び、平成22年10月に運航を終了したホーバークラフトが本年度内を目途に復活することになりました。ホーバークラフトとはプロペラを利用し空気を水面および陸上に噴出し、船体を浮上させて高速で走行する水陸両用の乗り物です。   当時のホーバークラフトは、大分市から国東町(現国東市)に空港が移転した昭和46年に運航を開始しました。ピークの平成2年度には約44万人が利用していましたが、平成15年以降は30万人程度に減少、さらに世界的な景気後退が重なり乗客が減少していきました。それに… [続きを読む]

動き出した八重洲の再開発 - 鑑定法人エイ・スクエア/田島耕一

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新型コロナ感染症もウィズコロナの段階に入り、街中に以前の風景が戻ってきました。朝夕の通勤ラッシュが再び常態となり、オフィス街では昼時に飲食店の前の行列が当たり前の光景になりました。コロナ禍で盛り上がったテレワークもさほど聞かなくなり、人々は再び街へ、オフィスへ戻ってきています。3年にわたり停滞していた経済が再び動き出したのを感じます。   街を歩いていると、ビルの建て替え工事が目につくようになりました。東京駅八重洲口側でも、トウキョウトーチのトーチタワー建設が動き出し、現在、日本ビルヂング、朝日生命大手町… [続きを読む]

「杜の都」の都心再構築 - 北斗総合鑑定/秋元康男

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  「杜の都」仙台では、令和元年から「せんだい都心再構築プロジェクト」がスタートしている。これは、東日本大震災からの復興の一方、既存建築物の老朽化や新築オフィスビルの供給減、仙台駅前の大規模画地が未利用・低利用の状態になる等、新たに顕在化した課題に取り組み、東北を牽引する都市として成長することを目的としたものである。当プロジェクトでは、都心の将来イメージを「仙台駅エリア」、「勾当台・定禅寺エリア」等に区分し、それぞれ個性的な街づくりを計画している。   「仙台駅エリア」は、東北地方の玄関口「JR… [続きを読む]

地域再生事業と不動産鑑定について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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2022年は内外ともに、新型コロナ感染症拡大やロシアのウクライナ侵攻をはじめとして事件事故(安倍元首相襲撃事件、旧統一教会問題、新防衛3文書問題など)等いろいろと大きな変遷のあった年でした。   2023年に入ってからは、世界経済はあらゆる物価上昇によるスタグフレーションが懸念されており、日本経済においても金融緩和、低金利政策に若干の修正がありましたが、電気、ガス水道料金の上昇、食料品価格の高騰が続いて景気動向は不安定になっています。   不動産市況にあっては、東京都心のオフィスビル空室率は7%… [続きを読む]

「現場の知」が試される新年 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって良い年でありますようにお祈り申し上げます。   昨年は、年末にかけて新型コロナ感染症の拡大がみられる一方で、経済活動を制限するようなガイドライン等は発動されず、良くも悪くも「コロナ慣れ」が世間に広まり、様々な祭りやイベントが「三年振り」に復活する動きが全国でみられた。筆者が非常勤顧問を務める信用金庫は、地域貢献活動として「せたがやぼろ市」の開催のお世話役をしてきているが、これも三年ぶりに開催の運びとなった。   しかし、スタッフたちに聞くところ、… [続きを読む]

御影石の魅力 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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都心部では、次から次へと高層ビルが建ち、歩道や広場もリニューアルされて上品で高級感のある空間が作り出されている。そうした空間構成で気づいたことがある。さまざまな色目や文様の石材が床や壁に使われ、鏡面仕上げのものは透明感があって美しい。毎日の行き帰り、御影石が張られた足元の床や目線の先の壁を眺めていると、この「固有名詞が普通名詞になった石」の魅力にはまってしまう。   御影石は、地下のマグマが地殻内の深いところで冷えて固まったものだが、熱と石英や雲母、長石などの鉱物の粒が混ざり合い、それらの含有量によって風… [続きを読む]

秋空を見上げて考えたこと - 鑑定法人エイ・スクエア/大森利

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朝晩肌寒く感じたらもう紅葉が始まった京都は秋の気配である。東京から約2時間で京都に着き、見渡せば、京都らしい歴史的建築物(近代建築が多いのも京都の良さだ)と小洒落た商業店舗やレストラン、カフェの組み合わせに目を奪われる。そもそもの神社・仏閣などの観光潜在力の大きさに加えて、この「千年の都」は、新しいものを取入れ、古いものを改良し、さらに魅力を増したように映る。   さて、今回の目的はホテルの調査である。コロナ前までは「観光公害」などの声も出るほど旅行客でごった返し、ホテルや不動産業界も強気にデベロップメン… [続きを読む]

昔は良かった - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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最近、歳を取ったせいか「昔は良かった」と思うことが多い。人の迷惑を顧みずどこでもタバコは自由に吸えたし(昔の映画を見ればよく分かる)、「男らしさ」や「女らしさ」について語ることもできた。レジ袋はタダでもらえたし、インフルエンザはあったけどコロナはなくてマスクを気にすることもなかった。ビルだってそうだ。比較的出入りが自由で、用がなくても気軽にビルに入り込み、取引先の部署を訪ねて知り合いに声をかけたりしていたものだ。   今の近代的なビルはエントランスに入ると無機質な広い空間に駅の改札口のようなものが並んでい… [続きを読む]

家の作りは夏を旨とすべし - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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今年の夏は「危険な暑さ」という言葉を聞くことが多かった。「猛暑」「酷暑」を超えた暑さが6月初めから続き、丁度コロナの第七波とも重なったため、その危険度たるや身も心も消耗させるようなレベルであった。   暑い夏の住まいは、どうすれば快適に過ごせるか? 兼好法師は「徒然草」の中で「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。」と書いている。夏は風通しの良い家に住むと日夜とも快適に過ごせる。湿度の高い日本、当時の食生活においては、かびの発生や食物の腐敗が少しでも防げることを考えると、「風通し」は… [続きを読む]

人生100年時代のライフ・シフト - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  高年齢者雇用安定法の改正により2021年4月1日から企業の定年年齢を70歳まで引き上げることが可能となり高齢まで働く環境が整いつつあります。   また、2020年時点、日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳となっています。70歳まで働き定年を迎えても平均寿命まで10年から20年近くあるのです。   ある推計では、現在60歳の人の25%は95歳まで生きると言われ長寿化が叫ばれ、他人事ではなくなってきました。   金融庁報告書では長寿化の進展により定年退職後… [続きを読む]

暑い夏の商業施設- 鑑定法人エイ・スクエア/大森利

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梅雨の気配を感じる間もなく暑い夏がやってきた。本日も朝から30度を超え、正午には35度を超える見込みだ。こうなるとワイシャツにスーツそしてマスクでの勤務は危険水域で、昨日は、近くのスーパーでポロシャツを2枚購入した。クールビズとリモートワークを組み合わせてこの夏を乗り切りたいと考えている。   あわせて東京には、経済産業省から東京電力管内に電力逼迫注意報が発令された。先日の東北地方の地震の影響で火力発電の供給力が落ちているところに、猛暑による需要増が追い打ちをかけたようだが、夏の猛暑が電力需給の不均衡に拍… [続きを読む]

神戸の巻き返しに期待 - 神戸シティ鑑定舎/小笠原高宏

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神戸市はかつて、「株式会社神戸市」といわれるほど栄えていましたが、近年、人口の流出が多く、人口では福岡市や川崎市に抜かれ、政令指定都市の中で現在第7位に甘んじています。   中心商業地の最高価格地地価もかつては京都と争っていましたが、今は京都に水をあけられています。インバウンドの時期は、大阪や京都は観光コースに含まれても、神戸は観光コースから外されることが多く、神戸は国際都市と呼ばれているものの、外国人からみれば都市としての魅力に欠けていたのでしょう。神戸から撤退する店舗、企業も増えています。 &nbsp… [続きを読む]

鑑定評価だけではない、不動産鑑定士の活動 - アプレイザル仙台/小松正典

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令和4年3月16日23時36分に福島県沖を震源とする地震がおきました。宮城県(登米市、蔵王町)、福島県(相馬市、南相馬市、国見町)では震度6強を観測し、東北新幹線は、脱線や構造物・設備等の被害により一部区間が不通となりましたが、約1カ月後の4月14日に全線が再開しました。また、人的被害・住家被害も数多く報告されており、内閣府の発表では、4月7日現在、合計10,414件となっており、その被害のほとんどは宮城県と福島県に集中しています。   住家が被災した場合、申請により罹災証明書が発行されます。災害対策基本… [続きを読む]

人生100年時代の羅針盤- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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人生は100年であると、いろいろなところで健康関連専門家、新聞、書籍、マスコミ、PR誌果ては行政、政治家等からも声高に伝えられています。   更に個人生活基盤を整えるためには、年金制度の公助だけでなく保険、預貯金等の自助が必要となり、健康で80歳までは働くことが推奨され、無収入となった老後の生活資金として預貯金等は最低2,000万円が必要ですと有識者、専門家の先生からは指摘されています。   プラチナ世代と称されていますが、一般庶民としては理論的には良く判るといえども、既に60歳、70歳台になる… [続きを読む]

建物価格の査定システムへの取組み - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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日本の中古住宅市場において、建物価格が実際の価値を吟味することなく、主としていわゆる法定耐用年数により評価されることで、過小評価されていることが指摘されて久しい。   これは、金融機関が担保評価の物差しとして採用している税務上の減価償却(最短許容)年数が中古市場においても住宅の耐用年数の目安とされ、これにより、建物の耐用年数が極めて短く計算され、築年数が10年以上経過した木造住宅は、“十把一絡げ”に減価されて見積もられることに起因していると言われている。   だが、それだけではなく、建物の一つ一… [続きを読む]

外壁の損傷とそのチェック - 長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

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近頃、全国的に地震が多発しています。私の住んでいる大分県でも1月22日の午前1時頃、震度5強の地震が発生しました。これは、マグニチュード6.6に達するかなり強いレベルの地震でした。幸い私の家や会社は被害に遭いませんでしたが、塀の倒壊や戸建住宅の外壁の亀裂、マンションの外壁タイル落下等の被害が多く発生しました。   外壁の損傷については、今回のような強い地震によってタイルが剥落するような場合は被害の程度は明瞭ですが、普段、人目につかず進行する場合は、生活上は気にならないため、放って置かれることが多いようです… [続きを読む]

寅年の不動産市況を観る - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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この2年間、コロナ禍のために景気は低迷し、経済は停滞し、人々は巣籠り生活を余儀なくされて意気消沈の日々である。世の中は元気を失っているように思える。そんな環境の中、目立たないところで不動産市場が動いていた。海外投資家による大型の日本不動産投資が続いているのである。最大の理由は、やはり世界的なカネ余り環境にある。   中央銀行による金融緩和が継続し、低リスク資産である債券の利回りが極めて低くなっている。米国では量的緩和の終了が公表され、長期金利の低下に歯止めがかかっているものの、米10年債の利回りはなお 1… [続きを読む]

固定資産課税業務と不動産鑑定について- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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新型コロナウイルス感染拡大が漸く収まりつつある状況となって来ましたが、海外では再拡大となっている国も数多くあり、引き続き感染防止に注力したいものです。   さて、この11月下旬に新型コロナウイルス感染対策として実施されている固定資産税の負担増を回避する特例措置が令和3年度1年限りで終了を検討するニュースがありました。   固定資産税は市町村にとって主要財源となっており、税収の約4割を占めています。   税額は固定資産「評価額」を負担調整した「課税標準額」に税率をかけて決めているもので、… [続きを読む]

家族信託を利用した2次・3次相続対策 - 長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

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今回は、家族信託を利用することによって、1次相続だけではなく、2次・3次相続にわたって自分の財産を意中の後継者に引き継ぐことが可能となることについてお話しします。   [続きを読む]

認知症対策としての家族信託 - 長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

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  認知症患者が保有する金融資産は全国で約200兆円といわれ、不動産はそれ以上の額と考えられます。認知症になると資産運用の意思表示が困難となり、社会にお金が回らなくなるため、その経済的損失は計り知れないものになります。高齢化が進む中、この問題の解決は喫緊の課題となっています。家族信託は認知症対策としてだけでなく、相続や事業承継等に関して発生する様々な問題を解決する手段として有効です。私の住んでいる地方においても、近年は家族信託を活用する例がみられるようになりました。   「信託」とは、「自分の大… [続きを読む]

建物の高さと高層化の歴史について - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  東京オリンピック・パラリンピック競技大会で注目を集めた東京の晴海エリアをはじめ、全国で再開発に伴う建物の高層化が進んでいる。   良好な景観や市街地環境を形成していく上で建物の「高さ」は重要な要素であり、高層化促進と高さ制限の両立を戦後の社会ではどう図っていったのか、戦後復興から高度経済成長期、バブル経済期からバブル崩壊以降現在までの建物高層化の歴史を振り返ってみたい。   ①ビルブーム・不燃高層アパート建設期…昭和25年に建築基準法が公布され、全国に「ビルブーム」が起こった。一方… [続きを読む]

皇居一般参観コース巡り- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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コロナ禍のなか、第32回夏季オリンピック東京大会が2021年7月23日に開催されました。1964年(昭和39年)第18回東京オリンピック大会から57年ぶり(2020年から1年延期)の日本でのオリンピック開催ですが、前回の東京オリンピックと比べて心からの溢れる躍動感が感じ取れないのは、コロナ禍であるためだけでしょうか?   それはさておき、皇居一般参観の募集が始まりましたので勤務先の同僚と参加することにしました。猛暑の中の1日、午後のコースに参加、桔梗門に集合、約30名弱の参加人員で宮内庁職員の案内、説明を… [続きを読む]

マンションストック長寿化補助事業への取組み - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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国交省の『マンションストック長寿化補助事業』が、新型コロナ感染拡大の中、昨年応募が締切られ、本年6月末には採択事案の報告がまとめられる。   この事業には、①計画支援型と②工事支援型があるが、私たちの専門チームは①に参加した。計画支援型は、現存する中古マンションの中から、具体的に対象となるマンションを特定し、当該マンションの管理組合の同意と協力を得て、自然科学、建築、設備や不動産評価の専門家で構成されたチームが当該マンションの長寿化に最適かつコスト面で実現可能な提案を行うケーススタディ型の事業である。 &… [続きを読む]

身近に感じた地域の光景の変化 - 鑑定法人エイ・スクエア/田島耕一

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私の住んでいる多摩東部地域では、企業のグラウンドや林地・農地であったようなところを大手不動産会社が開発した分譲住宅地が多くみられます。私の現在の住まいもこういった住宅地の中にあります。ある程度の規模をもつ宅地開発でしたので、この分譲地で一つのコミュニティとして独立しています。   地域内の道路は、ここの住民以外の他地域からの自動車の進入は殆んどなく、子供たちの格好の遊び場所となっています。休日の日中など、子どもたちが楽しそうに遊んでいる声が聞こえてくると、何故だかこちらのほうも朗らかな気持ちになってくるも… [続きを読む]

「異次元価格のマンション」売れるか - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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経済回復の進み方が上下に開く「K字型」経済が出現している。コロナ禍でも都心の住宅は高所得者層の購買意欲が高く、値上がりが続いているようだ。そうした流れとも関連するのか、一部屋67億6千万円という新築マンションが売り出されている。   原宿へ徒歩5分、「明治神宮前」駅徒歩2分の好立地。総戸数14戸というかなり小規模でプライベート性の高いマンションである。最上階で専有面積は627㎡(テニスコート3面が余裕に入る)。ほかにも300㎡前後で18億円前後の部屋もある。それにしても周辺マンションの5倍以上の単価・総額… [続きを読む]

地方創生と地価水準について- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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令和3年1月1日時点の公示地価は全国、全用途平均で前年比マイナス0.5%と6年ぶりに下落となりました。因みに昨年度は前年比プラス1.4%と5年連続で上昇でした。   公示地価が下落に転じた理由には、新型コロナウイルス感染症(以下感染症という)拡大による影響が大きく、2020年東京オリンピックに向けてのインバウンド観光客数増加とそれに伴うホテル、観光施設等の増加が停止状態に転化し、地域経済と国民の生活基盤が低迷状態になってきたこと、また、感染症による国民の意識と行動の変容など様々な影響が挙げられます。 &n… [続きを読む]

震災10年後の展望 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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石巻市での仕事の帰途、かねてより震災復興が進んでいるといわれた女川町まで足を延ばした。「女川町復興計画」は震災半年後の平成23年9月に町議会で可決され、その1年後には復興工事に着手するなど、きわめてスピード感のあるものであった。   しがらみの多い地方の町にあって、各世代間、業界、行政の垣根等を超えて新しいまちづくりのコンセンサスが早期に得られたことは驚きでしかないが、これは住民が主体となり、「還暦以上は口を出さず盾となり、次の世代に町の将来を託した」ことが大きな力になったようだ。   減災の視… [続きを読む]

コロナ禍を契機とした地方回帰の動き - 拜藤不動産鑑定事務所/拜藤聖

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新型コロナウイルスが国内で初めて確認されてから、1月15日で一年を迎えました。未だ感染者数の増加も止まらず、累計(1月28日時点)の感染者数は38万人、死者は5千4百人を超え、2回目の緊急事態宣言が発出されるなど、感染収束の見通しが立たない状況です。   そのような中、東京都では平成25年以降で初めて人口の転出超過が発生し、注目されました。今後、コロナ禍を契機として、人々が住環境やライフスタイルの転換を求め、地方へ回帰する動きは起こるのでしょうか。鳥取市で鑑定事務所を営む筆者にとっても大いに関心のあるとこ… [続きを読む]

丑年の初めに - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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コロナ禍の終息の動きが見えないまま新年を迎えることになった。この1年で職場の風景は大きく変わり、在席で仕事をしている社員の数が減った。リモートワークが一応定着し、社員が「居ない」ことに違和感を覚えなくなった。   新型コロナウイルスの感染拡大で都心部を離れる動きが数字の上でも裏付けられている。昨年11月1日時点での東京都区部の人口は、前月比で7千700人余り減り、4か月連続で減少した。小平市や府中市などは増加しており、少々通勤時間がかかっても郊外の一戸建に引っ越す人が増えたようだ。   広い自宅… [続きを読む]

インバウンド観光と宿泊事業- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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日本政府観光局のリリースによると2019年の訪日外客数は32百万人近くまで増加しており、うちインバウンド観光客数も28百万人を超えています。しかしながら2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大により前年比▲99%超と激減し、9月実績数は13,700人と前年比▲99.4%となりました。いずれにしても、この感染症が終息していかなければウイズコロナと言われてもインバウンド観光客数増加は当面期待出来そうにありません。   この状況下でも京都市内で高級ホテルの開業が続いています。3月から11月までに5カ所で開業し… [続きを読む]

脱ハンコと不動産 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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ハンコ?大好きです!   さまざまな印材にいろいろな字体で緻密に刻印されたハンコ自体も好きですし、上質な朱肉で押された美しい印影を見るのも好きです。   不動産の仲介の仕事をしていた頃、多くの取引と同時に売買契約書などに押されるさまざまな印影を見て、ハンコと人柄の間になんらかの関係があるのではないかと感じて印相の勉強をしてみたこともあります。実印にしても、小さなハンコ、大きなハンコ、それらの字体の違いによって取引交渉の姿勢が違ったり、いわゆる悪相と言われる印鑑で不動産の売買を行う人は、どこか慎重… [続きを読む]

地域の分け方 - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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コロナ禍では普段気にも留めないようなことが気になる。8月に始まった「Go toトラベルキャンペーン」から東京都が除外された。東京都町田市に住んでいる人はアウトで神奈川県相模原市に住んでいる人はオッケーだった。この2市は同一生活圏を形成しているのに、危ない地域と大丈夫な地域に分けられてしまったのだ。また、他県からの東京スカイツリーへの旅行は対象外だが東京ディズニーランドへの旅行はお安くなる。確かに、どこかで地域の線引きが必要なのは理解できるが、行政区分で安易に分けることが随分と多いように感じる。   不動産… [続きを読む]

豪雨被害、洪水災害とハザードマップ - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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新型コロナウイルス感染拡大で社会活動のありかた(デジタル化の進展、テレワーク、シェアオフィスの活用等)が変わり始めていますが、同時に繁華街商業ビル(飲食店、遊戯施設等利用)の利用者の顔ぶれも変わり始めて街並が変わってきています。   また、ここ数年前から気候変動が激しさを増してきており、甚大な豪雨被害が発生して住宅等浸水リスクが大きくなってきています。令和元年6月の九州南部豪雨、7月からの台風による猛烈な風雨被害、更に10月の台風19号、21号による福島、千葉県、および長野県千曲川氾濫により市街地の大規模… [続きを読む]

既視感のある水害光景 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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八月の声を聞こうというのに雨が降りやまない。七月初め、熊本県球磨村の特別養護老人ホームの空撮映像は既視感のあるものだった。川べりの介護施設が河川の氾濫で浸水し、避難できなかった高齢入居者の悲劇が毎年のごとく伝えられている。   八代河川国道工事事務所の「球磨川水系洪水浸水想定区域図」を見ると、その老人ホームのある場所は「浸水時5m~10m未満」の想定浸水区域となっている。何ゆえそのような危険な場所に老人ホームを建てたのか?とは誰もが思うこと。しかし、よく考えれば、そのような場所は都会のゼロメートル地帯は言… [続きを読む]

「集積の経済」とリモートワーク - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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ミクロ経済学では、市場に多数の経済主体が参加することにより、市場の中で需給均衡点が求められ、取引される財の価格と数量が決定され、この市場機能によって地球上の稀少な経済資源が最適に配分されるという理論(完全競争市場理論)を土台にして、様々な経済事象を研究して成果を上げてきた。   市場メカニズムの働かないところで経済主体に影響を及ぼす事象の発生を「外部性」と呼び、現実の市場が不完全であることも知られている。   例えば、プラスチック袋が買い物に利用された結果、海洋汚染が生じた場合、この海洋汚染が「… [続きを読む]

コロナ騒ぎで分かったこと - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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子年は何かと騒がしい事件が起こることが多い。前回の平成20年は、言わずと知れたリーマンショックが発生した年である。   その前の平成8年は関西基盤の阪和銀行が戦後初の銀行破綻、その後日本経済は奈落の底に転落していった。本年も身構えておく姿勢が必要だろうと思っていたが、まさか新型コロナウィルスが騒ぎの原因になるとは…。   しかし今回の騒ぎで分かったことがいくつかある。まずはマスクである。こんなものが手に入らなくなるとは思ってもみなかった。そしてマスクを代表とする医療資源について日本がこんなにも脆… [続きを読む]

不動産をオークションで売る効用とは - 共信トラスティ/土屋忠昭

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「不動産はオークションで売りなさい」初版を出版して2年経過しました。その間、初版の読者の皆様から予想以上の反響をいただきました。   その中で、読者の方々のご希望に応えられないこともありました。   そこで、増補改訂版では、オークション成功事例の紹介のほかにオークションに向く不動産と向かない不動産の説明を新たに加えるとともに、民法債権法、相続法の改正点を反映させ、諸データの数字を新しくしました。   オークションに向いている不動産は、多数の買主が購入を検討してくれる不動産です。多数の買… [続きを読む]

地方創生と公示地価 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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少子高齢化の進展による人口減少社会問題の是正と東京圏への人口の過度の集中是正を目的とした「まち・ひと・しごと」創世本部が平成26年12月に制定され、地方創生第1期5カ年計画がスタート、実施されてきました。   令和に入り第2期5カ年計画がスタートしましたが、第1期の5カ年間でいろいろな問題点が明白となり、地方交付金や諸々の助成金が増加し、結果的に人口の東京圏一極集中の加速が止まらず、かつ地方にあって財政力(子育て世代の支援、高齢者支援など)、交通アクセスや低廉住宅価格など競争力のある地域のみが果実を得てい… [続きを読む]

高速道路の功罪 - 田中不動産鑑定/田中計機

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兵庫県の中部に位置する丹波市にて不動産の鑑定業を営んでいる。兵庫県は南は瀬戸内海、北は日本海に面する広大な面積を有する県であるが、今や中北部においても高速道路の整備が進み、神戸市中心部から日本海側まで車で2時間半程度で移動できるようになった。   田舎における高速道路の整備効果としては、都心部への買物や通勤・通学が短時間で可能になることはもとより、農水産物等を都会の市場へ迅速に輸送できること、工場や物流施設の立地促進が図れること、観光客の増加が期待されること等であろう。   近年では、災害時に道… [続きを読む]

三隣亡(さんりんぼう)は避けましょう - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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今年の正月も普段は滅多に行かないのに初詣に出かけた。その際ふと思ったのですが、不動産取引や建築行事には縁起を担ぐことがなんと多いことか。   土地を買うときにカラ井戸があればお祓いをしてから埋める方もいます。建築に掛かるときの「地鎮祭」(土地の神様の気持ちを鎮める儀式)や、上棟式、竣工式の時などには神主さんにお祓いをお願いしたりする。   そして、これら建築に係る儀式は暦を見て「三隣亡(さんりんぼう)」の日は避けるべしと言われます。   元々は「三輪宝」といって「建てるに良し」とされる… [続きを読む]

過去の子年を振り返って不動産市況を占う - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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令和になって初めての元旦を迎えた。子年は十二支における最初の年でもある。ネズミは子孫繁栄の象徴とされ、今年はめでたいことが重なっているように思える。   不動産業界も都心部を中心に活況を呈している。しかし景気は循環している。今後の不動産市況を過去の子年に生起した事柄を振り返ることによって占ってみよう。   まず、前回の子年は2008年(平成20年)。言わずと知れたリーマンショックが発生した年である。回復基調にあった日本経済も破綻した。その前の子年は1996年(平成8年)。バブル期の過剰融資がたた… [続きを読む]

大都市と地方の情報「公開」格差 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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仕事柄、全国の自治体を回ることが多い。調査対象の不動産が都市計画法や建築基準法などの規制に適合しているかを役所でまず調査するのである。   近年では役所のホームページを閲覧すれば大概のことは把握できるようになったのは有難いことだが、HPも含め調査した結果の〝満足度〟は大都市圏と地方都市ではかなり異なる。   総じて大都市圏ではこうした行政サービスは質・量ともに充実しているが、地方都市ではHP、窓口いずれにおいても大都市の役所の対応力に及んでいないように感じる。   都市と地方との財政力… [続きを読む]

自然災害とハザードマップについて - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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このたびの颱風による被害に遭われた地域の皆様に心からお見舞い申し上げます。 また一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。   2019年10月12日(土)颱風19号の接近による風雨が強まり、(私の居住地域は多摩川に近く世田谷区の洪水ハザードマップでは浸水のおそれがあり避難地域の目安となっています。)午前10時に自主避難場所開設通知、14時45分避難準備・高齢者等避難開始勧告、15時50分多摩川氾濫危険情報警戒レベル4危険水位に到達、引き続き危険水位を超えるが続き避難勧告が発令されました。   … [続きを読む]

ラグビーW杯in大分 - 長嶋不動産鑑定事務所/土師 一弘

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ラグビーW杯が開幕しました。日本代表がロシアに勝利し、予選グループ最強のアイルランドからも大金星を上げたことで、国内も俄然盛り上がってきました。   このラグビーW杯が筆者の住む大分市でも開催され、10月2日のニュージーランド対カナダ戦を皮切りに準々決勝2試合を含む計5試合が行われます。大分では、2002年のサッカーW杯以来のビッグイベントになります。   今、大分の街はW杯一色のムードに包まれています。大分駅北口には、市が約30億円かけて整備した「祝祭の広場」が9月7日に完成しました。 ここに… [続きを読む]

増える「もったいない不動産」 - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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2018年12月に埼玉県深谷市の閉校となった小学校の体育館とその敷地約1,500㎡の一般競争入札が行われ、なんとマイナス795万円で落札された。   2019年3月には北海道室蘭市の旧福祉センターとその敷地約5,600㎡がマイナス881万円で落札された。いずれも買主による建物解体が条件であり、建物解体費用が土地の価値を上回っていたからである。   大都市の商業地の価格が毎年上昇を続けている一方で、「ただ」でも貰い手のない不動産が増えている。この現象はまず、リゾートマンションから始まった。高額な管… [続きを読む]

空き家・所有者不明土地問題について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  最近、駅舎のポスターや電車内の吊広告で「ふるさとの空き家、そのままになっていませんか?」「住まいと暮らしのコンシェルジュであなたのお悩み解消します」とのコマーシャルを覧たことはありませんか?これは、国や公共機関が所有者不明土地問題に関する法律整備、立法措置を進めていることを踏まえて、民間企業が不動産事業のひとつとして、具体的に事業展開してきている証拠でもあり、この問題に関心を持つ私(不動産鑑定士)として好ましい状況と言えます。   令和元年6月に(一財)土地総合研究所主催による国土交通省担当… [続きを読む]

琵琶湖畔のリゾート地の危機、第三の限界集落として - 鳰不動産鑑定/前田基良

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  外国人観光客ブームにより、京都、大阪の観光地では日本人よりも外国人観光客のほうが多い状況が続いています。今後も大阪万博等の開催によりさらに外国人観光客が増えていくと思われます。   私の住む滋賀県は、京都市と隣接し、琵琶湖がシンボルとなっています。近頃は琵琶湖一周を自転車で回る「ビワイチ」が人気であり、県外から多数の愛好家が滋賀県を訪れます。   またビワイチのほか、釣りや水上バイクなどの水のレジャー、スキーや登山などの山のレジャーも豊富であり、滋賀県は京阪神地方におけるリゾート地… [続きを読む]

消えゆくアーケード - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  五年ほど前、私の住む郊外の駅前通り商店街のアーケードが撤去された。歩道の上だけに架けられているタイプだったが、突然の雨でも多少は救われた。アーケードが好きでその商店街へ買い物に出かけたわけでもないのに、なんとなく寂しい気分になった。   全国各地でアーケードが相次いで撤去されている。理由は維持費の負担に商店会が耐えられなくなったことが一番大きいという。そもそも、アーケードは高度成長時代に商店会が各商店に資金を負担してもらって建築した。当時は儲かっていたから「雨の日も○△商店街でお買い物」の宣… [続きを読む]

「令和」の初めに観測する不動産市況の今後 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  長期的な不動産市況を見るには、国土交通省の「不動産価格指数」が参考になります。今年の指数を見ると、2013年4月から始まった異次元の金融緩和策を契機に全ての用途での不動産価格が上昇しており、現在においてピークに達している、あるいはピークアウトしていると言った状況は読み取れません。   しかし、次のような短・長期的観点から、もうそろそろ不動産市況の転換期が来るのではないかとの観測もなされています。   ①金融政策がそろそろ変更されるのではないか。安部首相は自分の任期中に終了させると明… [続きを読む]

平成時代の「限界都市」について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  平成時代は高度成長、バブル経済に踊った昭和30年以降を引継ぎながらバブル経済がはじけて日本の針路を模索し続けた時代と言えます。既成概念を排除しつつグローバル化とデジタル化が急成長してきましたが、細川内閣、小泉内閣、民主党内閣と平成の半ば頃まで日本の針路が不透明のまま、国内の経済環境が停滞していた時代でした。   こんな中増加の一途だった人口が平成20年の1億2,808万人をピークとして減少に転じて約60年後には7割程度の約8,800万人に減少するのではないかと予測されています。同時に少子高齢… [続きを読む]

経済的耐用年数の判定 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  中古住宅の質に対する情報提供を充実させるべく、専門家が建物の状況を診断するインスペクションが活用され始めている。 建物の今後の耐久性を左右する構造面の損傷具合や設備の劣化状況について、外観目視ではあるが詳細な現場調査により情報を提供するもので、経年にこだわらない実態価値を知る道標になる。これを基に適切な修繕費用等を投下すれば耐用年数を伸ばすこともできるだろう。   では、そもそも建物や設備の耐用年数を判定するにはどうすればよいか?旧大蔵省令による「耐用年数表」では木造の住宅用建物は22年、鉄… [続きを読む]

不動産はオークションで売りなさい(2) - 共信トラスティ/土屋忠昭

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  前回(一月七日号)では、不動産はオークション(入札)で売却するのがベストだということをご説明しました。では、不動産オークションの売主からの依頼から売却までの流れはどのようになるのでしょうか?   まず、最初にオークションによる売却窓口一本化のため、専任媒介契約を締結していただきます。購入検討者に検討していただくための資料である「物件概要書」を作成し、売却条件を定めるため物件調査を行います。調査は、現地調査(道路幅員、境界標識、越境物、騒音、日照障害、嫌悪施設、建物の傾き、亀裂等の有無等)と公… [続きを読む]

不動産はオークションで売りなさい - 共信トラスティ/土屋忠昭

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  不動産の売却を検討している人であれば、少しでも高い値段で売りたいと思うのが当然です。ところが実際は不動産の取引に不慣れなオーナーが物件を高値売却することは極めて困難です。一般的に不動産の売買は不動産仲介会社を介した買い手との「相対取引」によって行われ、売買価格は取引相手との協議や交渉で決まります。   相対取引の一番の問題点は、売主と仲介業者、あるいは買取る不動産業者との情報格差にあります。   土地の価格は「一物四価」といわれて、一般の人にはわかりにくくなっています。 &nbsp… [続きを読む]

平成30年間地価の歩みの四方山話 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  平成31年4月30日をもって「平成の時代」が幕を閉じます。この機会に地価(東京都の地価公示価格平均値を基準)の歩みから平成年間の時代背景を覧てみます。   1. 昭和から平成の時代へ 敗戦後、昭和30年代から経済高度成長(所得倍増政策)で地価上昇が開始、40年~50年代にかけて、「日本列島改造ブーム、1億総不動産屋」と言われた戦後最大の「住宅ブーム」に加え、大幅な金融緩和を追い風に異常とも言える地価高騰が発生しました。60年代は「土地本位制」と言われる金融拡大策により「地価は下落しない・・土… [続きを読む]

地価上昇を支えるインバウンド需要(2) - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  最近、新聞が引用した「言論NPO」の日中両国の相互理解に関する世論調査の結果を読んで、意外な感がした。中国に「良くない」印象を持つ日本人の割合は86.3%で高止まりが続いているのに対し、日本に「良い」印象を持つ中国人の割合は42.2%と、調査開始以来の13年間で最も高くなったという。記事のポイントは、「日本を訪れた中国人の7割以上が「良い」と評価しており、訪日客の増加が寄与した。」という辺りにある。   韓国はどうか。2017年時点で訪日旅行客が最も多いのは中国の735万人だが、韓国は714… [続きを読む]

地価上昇を支えるインバウンド需要 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  9月18日に国土交通省から発表された本年7月1日時点での全国の基準地価の報道で、最も焦点が当たっていた言葉は「訪日外国人」ではなかっただろうか。近年、訪日客の需要を見込んで地方でも店舗やホテルの建設が進み、札幌や仙台、広島、福岡などの中核都市では、商業地の地価は昨年比9.2%も上昇した。商業地の地価が上がるということは、そうした土地の収益力の向上を反映していることにほかならない。   日本を訪れる外国人客(インバウンド)は長年低迷していたが、2002年に5百万人を突破してからは、東日本大震災… [続きを読む]

ベトナムの土地評価制度を支援する - 藤田洋美不動産鑑定事務所/藤田洋美

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  本年6月中旬、ベトナム天然資源環境省・土地管理総局(GDLA)と日本不動産鑑定士協会連合会の共同セミナーがホーチミン市で開催されました。このセミナーは、国土交通省と連携したGDLAへの土地評価にかかる支援協力の一環として行われたものです。昨年は同様のセミナーがハノイ市で行われました。   今回のセミナーでは、日本側からは日本の公的土地評価制度を中心に、日本が高度経済成長期に経験した経済発展と都市化に伴う土地問題をどのように克服してきたか等について情報提供が行われました。ベトナム側からは、都市… [続きを読む]

「大曲の花火」が近づき想うこと - 田仲不動産鑑定事務所/田仲博樹

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  私が生まれ育ち、今も生活している大仙市は秋田県の南部に位置し、平成17年3月に大曲市等8市町村が合併して誕生しました。人口は平成30年6月時点で約8万人、「あきたこまち」に代表される稲作が盛んで、秋田新幹線こまちが停車する「大曲」駅を有する県南の代表的な都市です。   全国的に有名なのは毎年8月の第4土曜日に開催される全国花火競技大会「大曲の花火」(夏の章)です。今年も25日に開催予定で、92回目となります。「大曲の花火」は明治43年、諏訪神社祭典の余興として始まり、今では全国から70万人以… [続きを読む]

急行停車駅としての街並みに - 須藤不動産鑑定/須藤裕之

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  西武新宿線沿線に事務所を構えて2年目になる。最寄駅は下井草駅であるが、隣の急行停車駅である鷺ノ宮駅を利用する機会が多く、その都度、本当に急行停車駅かと疑問符が付く。そこで、鷺ノ宮駅とその周辺の街並みの将来性について検討する。   鷺ノ宮駅は西武新宿駅から数えて9番目の駅である。西武新宿線のルーツである武蔵野鉄道が1927年(昭和2年)に高田馬場-東村山間で開業すると同時に、同駅も開業した。鷺ノ宮駅は急行停車駅であり、急行利用で高田馬場駅まで約10分と都心部へのアクセスは良好であるが、駅舎にエ… [続きを読む]

戦後土地の動きの備忘録 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  「平成」があと10ヶ月となった今、戦後73年の日本の変化の過程を如実に映し出してきた「土地」の動きを振り返るのも意義あることと考え、備忘としてまとめてみた。   1.戦後期  終戦の翌年、1946年にGHQによる農地解放が行われた。これによって地主・小作関係の開放が行われ、わが国から「大地主」といわれる者がいなくなった。1947年には日本国憲法が発布され、同29条や民法に私有財産制の保障が明記され、土地に対する所有権意識が強く浸透していった。   2.工業化社会の進展  1950年… [続きを読む]

今ひとたびの京都観光 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  2020年の東京オリンピックに向けて観光立国をめざし、順調に、訪日外国人数はJNTO推計値で2017年2869万人、前年比19%の伸び率となっています。2013年に初めて1000万人を超えてから4年間で約2.8倍と右肩上がりの増加となってきています。とりわけ中国(735万人・15%増加)と韓国(714万人・40%増加)からの訪日客数はいずれも700万人を初めて突破、台湾(456万人・9%増加)、香港(223万人・21%増加)を加えた東アジア4市場で約7割強を占めています。ちなみに米国からは137万人と… [続きを読む]

「走馬看花」ではない鑑定評価を目指して - アソート綜合事務所/殿原玲子

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  早いもので不動産鑑定に携わるようになって20年余りになる。鑑定評価とは「不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示する」ことであり、鑑定評価の質を左右する資料収集の重要性は今も昔も変わらない。しかしながら、鑑定作業の方法は随分と変化した。以前は謄本の確認は管轄の法務局に赴き、バインダー式台帳の登記簿を閲覧、公図はマイラーと呼ばれるフィルムを自分でコピーしていた。それが現在ではインターネットの「登記情報提供サービス」を利用して、事務所にいながら全国の不動産の全部事項証明書や公図写等を取得すること… [続きを読む]

豪雪に埋もれながら金沢ホテル戦争の行方を思う - 小西不動産鑑定所/小西均

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  個々人にとって良いことも、全員が同じことをすると「合成の誤謬」により悪い結果を生むことが往々にしてあります。私の住んでいる金沢も例にもれず、東京資本が競って土地を買いホテルを建てています。   昨年夏から数えると、今後建つ予定のホテルは20数棟、既存の客室数1万室に対し、約2,500室も増えます。京都や福岡ならわかりますが、金沢市は人口45万人の「地方都市」なのです。地方の一等地の地価は、地元投資家がゼッタイ出せない金額を東京ホテル資本が提示することで、大きな乖離が生まれています。今や、ホテ… [続きを読む]

所有者不明土地問題への対応について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  所有者不明土地が公共事業や地域都市開発事業推進における障害となっていることは周知となってきています。とりわけ、震災復興事業やまちづくりの障害となるケースが発生し、このままでは、少子高齢化・人口減少問題に備えてコンパクトシティを手法とする国土のグランドデザイン計画にも大きな障害となり社会的リスクはますます増加するものと懸念されます。   この問題は国土地籍調査において、従前から調査業務推進の障害の大きな要因と把握されていました。一例を挙げます。私がコンサルを依頼されたあるゴルフ場の課税評価で問… [続きを読む]

所有者不明土地問題について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  日本の人口減少が国民経済や生活環境等に大きなマイナス影響をあたえてくると言われているなか、厚生労働省発表によると、2017年に日本国内の出生数は2年連続で100万人を下回り人口の年間「自然減」は初めて40万人を超える見込みで、毎年減少幅が拡大し人口減は深刻となっています。この問題は国民生活の基盤である都市政策に大きな影響をあたえており、地方創生の元、まちの集約、コンパクトな都市再生を計画している自治体は国土交通省のまとめによると2017年3月で309市町村、さらに増える傾向にあります。   … [続きを読む]

チームワークでやればできる!(ショコラボ5年の歩み その2) - 株式会社不動産投資研究所・ 一般社団法人AOH(ショコラボ)/伊藤紀幸

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  全国初の福祉のチョコレート工房「ショコラボ」。   金融畑・不動産畑を歩んできた私には、福祉事業所の運営もチョコレート製造販売も経験・人脈・ノウハウ何ひとつない未開の地だった。起業の目的は、「障がい者の働く場の創出」と「工賃のアップ」。だから、経営理念は「全ての人々に平等に接し、障がい者・高齢者・健常者が共生するコミュニティ作り」「関与する全ての人々に物心両面の豊かさを感じられる仕組み作りで社会に貢献すること」と決めた。   ショコラボの経営理念に共感したスタッフ達が集まり、入社し… [続きを読む]

不動産屋がチョコレート屋になった思い - 株式会社不動産投資研究所・ 一般社団法人AOH(ショコラボ)/伊藤紀幸

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  第一回   不動産業務に携わりもう30年になる。不動産業界に身を置く私が、ある「思い」と「志し」を持ってチョコレート工房を設立したのは、今から丁度5年前の2012年11月である。   その名前は『ショコラボ』。全国初の障がい者が働く福祉のチョコレート工房。   私は、信託銀行に勤務していた。30歳の時に障がいをもつ息子を偶然に授かった。   息子と向き合う時間を少しでも確保したいとの事情から、35歳を前にお世話になった信託銀行を退社した。比較的自由に時間がとれる… [続きを読む]

不動産の2022年問題 - アソート綜合事務所/樋口典子

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  東京都区部の地価公示(国土交通省が土地取引の目安として公表する土地価格)業務に従事してから10年が経過し、新たに住宅系用途が主体の外周区を担当することになった。都会のオアシスともいうべき緑が多いことが外周区の特徴の一つであるが、駅に近い閑静な住宅地の中に突然「農地」が出現するなど、高層建物が多い中心区とは異なる癒しの空間を楽しみながら地域を歩き回っている。   こうした中、とある勉強会に参加したところ、講師の先生から「2022年問題を知っていますか?」と投げかけられた際、私の頭の中に外周区の… [続きを読む]

京の迎賓館一般公開 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  新緑のうつくしい初夏の候、社会人となって50周年の節目に、学び舎の同窓生が約100名(新入学時250名でした)京都に集合しました。物故者40名に黙祷をささげ、海外在住者を除き出席率は概ね50%、50年ぶりに再会する同窓生も多く、しかしながら即、学生時代に立ち戻り青春時代の名残を楽しみました。京都という都市環境は50年ぶりであっても得がたいものですね。   翌日、ゼミ仲間と3名で京都迎賓館(Kyoto State Guest House)が一般公開されていることを聴き参観することにしました。京… [続きを読む]

大分駅ビル開業後の既存商店街との住み分け - 長嶋不動産鑑定事務所/木内純子

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  平成27年4月、店舗・ホテル・シネコン等からなるJR大分駅ビルが開業した。総事業費(見込額)は約150~200億円で、当初目標は年間売上げ200億円、年間来客数1,100万人であった。これに対し、開業1年目の売上高は約230億円、来客数は約2,500万人、2年目の売上高は約223億円、来客数は約2,221万人でいずれも目標を大きく上回る順調な滑り出しを見せている。「黒船来航」に例え、駅ビル進出に大きな不安を抱いていた周辺の既存商店街も総じて業績は好調に推移し、「空き店舗はでても、すぐに埋まる」、「出店… [続きを読む]

相続対策に有効な信託のツボ - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  信託、その中でも民事信託、なかんずく家族の間の信託がいよいよ動き出してきました。なぜ今、信託なのでしょうか?その背景には超高齢社会があります。   人は誰でも、人生最終のステージとして、意思能力・判断能力が著しく衰えた時期を通過して亡くなるパターンが標準化、一般化したのです。この意思能力・判断応力が著しく衰えた時期こそ、相続対策、相続税対策に関して最も大切な時期なのです。ここで、有効な手が打てなければ、文字通り「座して死を待つ」しかありません。   遺言は死後の話、存命中の最終ステ… [続きを読む]

コンパクトシティ- 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  3年ぶりに富山駅に降り立った。前回は新幹線開業を控えて各所で大工事が行われていたが、「富山の薬売り」の銅像が建つ駅前も含め、個性が感じられる駅に変貌していた。改札口を抜けたすぐ先の屋内でLRT(次世代型路面電車)が出発を待っているのも、他の街には見られない光景だ。   富山市は5年前にOECD(経済協力開発機構)から、パリやメルボルン、バンクーバーなどとともにコンパクトシティの世界先進モデル都市に選出された。コンパクトシティとは、都市機能が高密度にまとまり、徒歩や公共交通での移動がし易い都市… [続きを読む]

地方活性化へ向けた空き家対策 - 田中不動産鑑定/田中計機

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  人口減少時代を迎え、特に地方においては空き家問題が深刻さを増している。一旦田舎を離れた若者は、親が亡くなっても都会での生活を継続し、生まれ育った家は老朽化し空き家になるケースが多く見られる。高齢世帯の病院や施設への入所も一つの契機となっている。   東京、大阪といった利便性に優れた都市圏においては、空き家を処分することは可能であろうが、地方は需要が乏しく簡単には処分できない。長期間放置されることになれば、周辺の居住環境にも悪影響を及ぼす。そこで、地域の居住環境の保全や住民の財産保護等の観点か… [続きを読む]

何階に住むのがお得? - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  テナントビルや賃貸マンションを経営するに当たって、賃料設定に悩まれる方も多いかと思います。基準階賃料をいくらにしたらよいか、共益費をどうするか、敷金や保証金はどうするか等々。これらについては期待する収益の水準はあるものの、賃料相場を調べ、地元精通者の意見も参考に決めることになるでしょう。   次に各階にどのくらいの賃料の差をつけるかも悩みどころです。賃貸借契約は長期にわたる契約となるため、安く貸してしまったからといって、契約更新時等に増額するのは難しいものです。また、ある階の賃料が高すぎて空… [続きを読む]

バブル崩壊の現場にて - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  私が金融機関に勤務していたころ、20世紀最後のバブル時代の話である。   1985年のプラザ合意によって大幅な円高容認が行われ、円の為替相場は短期間に急伸した。その結果、米国債などのドル建て資産に含み損が発生し、資金が為替リスクのない日本国内へ環流した。一方、国内では円高による打撃を受けた輸出業界を救済するため、大幅な金融緩和が実施された。これにより、国内では資金が過剰に供給されて投資熱が加熱、特に株と不動産への投資が盛んになった。なかでも、土地神話を背景に地価は高騰し、個人も法人も不動産投… [続きを読む]

老人福祉施設とは - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  鑑定評価の対象も時代を反映する。日本の高度成長期、重厚長大型産業の資金調達に関連した大型工場の評価が多かったが、近年では、高齢化社会を反映して老人福祉施設の評価がとみに増えている。今や総人口のうち65歳以上が占める割合は27.2%で、就業者に占める高齢者の割合も10.7%と過去最高となっている。高齢者の活用や介護は社会全体の理解と支えがなくては成り立たない時代、不動産業務に携わる者も、公私共に「介護」に関心を持つ必要があろう。   「介護」は、認知症、在宅介護、施設介護、介護保険制度、食事や… [続きを読む]

動き始めてきた「家族の信託」 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。   さて、一昨年八月と、昨年年明けのこのコラムでは「信託」を取り上げてきました。一昨年が「信託ブレイクの予感」、昨年が「年の初めに考える家族間の信託」でした。予想通り、「家族の信託」が大きなうねりとなって動き始めてきました。昨年お話しした通り、この背景には超高齢社会の到来があります。   誰でも一生の最後のステージは、介護され、意思能力を著しく衰えさせた状態で過ごすことになるのが当たり前になったのです。このため、自… [続きを読む]

日本の伝統文化の「茶の湯」―評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  日本の伝統的文化のひとつに茶道があります。そのほかに華道、書道、香道などがありますが、茶の湯を楽しむときに、お茶室の床に花入れ(華道)、掛物(書道)、香炉(香道)があり、これらを拝見することによりそのすべてに係わることとなります。  私も伝統文化に触れてみたくなり、古稀を過ぎてから「茶の湯」を学ぼうと裏千家の初心者お茶教室に参加しました。   現在、日本では2020年の東京オリンピック開催のため(だけではありませんが?)に観光立国を目指して、内閣を挙げて「観光特区」「民泊」等諸々の施策を行っ… [続きを読む]

北海道新幹線開業後の函館―景澤不動産鑑定事務所/景澤 周平

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  本年3月26日に北海道新幹線が開業しました。東京まで約4時間、仙台まで約3時間半、盛岡まで約2時間と時間短縮の効果もあり、北関東、東北を中心にした観光客の入込が増加しています。JR北海道の調べによると、9月までの上半期の利用実績は前年同時期の在来線と比べて、76.9%増加したとのことです。又、函館山ロープウェイをはじめとする観光施設を利用した人は、上半期前年度比17%増となっているそうです。ホテルも活況を呈しており、宿泊客数は4月から6月が対前年比19.7%増、7月から9月が対前年比12.2%増で、1… [続きを読む]

東京ドームは何坪あるのか―鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  長く不動産業界に身を置いていると、面積は「坪」でないとどうもしっくりこない。しかし、メートル法を採用している我が国では公式文書で面積を坪のみで表すことはできない。鑑定評価書においても単価は1㎡あたり○○円と表記されるのだが、これが私には困りもので一々「坪」に換算しないと気が済まない。私の場合、土地単価は勿論、賃料単価、建築単価、マンション分譲単価等々においてその価格が妥当であるかどうかの直感的な判断は「坪単価」でないとできない体質になってしまっているため、電卓が手放せない。   先月東京ドー… [続きを読む]

歴史と地価との関わり(2)―千葉県市川市-アソート綜合事務所 /樋口 勝彦

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  前回述べた如く、市川市の住宅地は「市川地区」「八幡地区」「中山地区」「行徳地区」に分けられる。市川市には文化人も多く在住し、「八幡地区」は永井荷風、「中山地区」は東山魁夷ゆかりの地である。各地区の代表的な平成28年地価公示地は、「市川地区」市川-35(菅野1丁目)331千円/㎡、「八幡地区」市川-34(八幡4丁目)316千円/㎡、「中山地区」市川-11(中山2丁目)213千円/㎡、「行徳地区」市川-33(福栄1丁目)255千円/㎡等が挙げられ、「市川」と「八幡」、「中山」と「行徳」とで拮抗している。 … [続きを読む]

歴史と地価との関わり(1)―千葉県市川市-アソート綜合事務所 /樋口 勝彦

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  私が長年地価公示業務を担当してきた千葉県市川市。その歴史と地価との関わりについて、2回に分けて述べてみたい。   市川市の歴史は古く、定住性の高い集落が営まれ始めたのは縄文時代。市内各地には縄文時代の貝塚(姥山(うばやま)・向台(むかいだい)・曽谷(そや))が所在し、土器も多く出土している。その後、大化の改新により大和政権のもと下総国府・国分寺が置かれ、現在も「国府台(こうのだい)」の地名として残っている。市川市の現在の住宅地はおおまかに①市川地区②八幡地区③中山地区④行徳地区の4つに分けら… [続きを読む]

平成28年熊本地震-中西不動産鑑定事務所 /中西 信久

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  4月14日午後9時26分、熊本市街地の和食店の地下1階で講演会の打ち上げの乾杯が終わり、「さあ、食べよう」と刺身に醤油をかけているその時でした。「バシッバシッ」とすごい音がし、店舗が上下左右に大きく揺れました。このまま倒壊し、埋まって死ぬのではないかと思った程でした。私の古びた背広も醤油をいっぱいかぶってしまいました。地上では、消防車、救急車のサイレンが響き渡っていました。これが、当初、本震と言われた「前震」です。   4月16日午前1時25分、マンション7階で熟睡していた時、ベッドがドーン… [続きを読む]

不動産には畏敬の念を持って-森島不動産コンサルタンツ /森島 義博

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  初めて不動産の仕事を担当したとき、まず現地調査の研修から始めました。旧林野庁やJRなどの退職者で不動産調査専門の人たちが職場には居て、その方々に先生になってもらいました。私の先生になってくれた人は旧道路公団を退職した人でした。先生は現地調査に行くとき、私に「塩を小袋に入れて持って来るように!」と指示しました。「塩?」なぜだか分からないまま、塩を入れたビニール袋を持っていきました。先生は現地に着くと、塩を一つまみ撒いてから土地に踏み込みました。「なぜそういうことをするのか?」と問うと、「土地には長い歴史… [続きを読む]

不動産鑑定評価を省みての雑感-評価コンサルオフィス・ケン /桂 健二

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  このところ、世情が慌しく、はなはだ勝手ではありますが、近年、自己の生活圏を狭めてきているのではないかと、若干の不安とともに悔しさを噛みしめています。   そんな状態で、せんだって、ある講演会に参加、国際情勢の変化と中東情勢、難民問題の解説を聴くこととなりました。ヨーロッパ各国に押し寄せるシリア難民問題とフランス、ベルギーでのテロ発生と海外が大変な状態になっています。また、国内では、阪神淡路震災、東北震災に続いて熊本地震が発生、被災地の大変な状態が刻々と報道されています。   このた… [続きを読む]

北陸新幹線がインバウンドを連れてやってきた!! - 小西不動産鑑定所/小西均

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  「金沢」というのはあまり話題になったことがない都市だと思います。日本海側でひっそりと江戸情緒を残す、雪の似合う町。そういうイメージでしょうか。人口は46万人しかいません。   そうした地が、昨年の3月、北陸新幹線が開業したことによって白日の下にさらされることと相成りました。4時間かかっていた東京との間を2時間半で結ばれたことで、気軽に関東の観光客が押し寄せました。その観光客の中で、インバウンドは1割程を占めます。北陸新幹線開業以来、金沢駅前でやたらと外国人の姿が目につくようになりました。兼六… [続きを読む]

温泉権の評価について - 長嶋不動産鑑定事務所/土師 一弘

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  皆さんは大分県といえば何を想像しますか? 関アジ、関サバといった美味しい魚でしょうか。でも、別府・湯布院に代表される「温泉」を想像する人も多いのではないでしょうか。 環境省の「環境統計集」によると、平成26年3月末現在の大分県の温泉源泉数は4,411、湧出量は毎分28万6千リットルでいずれも日本一です。 単純温泉・二酸化炭素泉をはじめ、殆んどの種類の温泉が楽しめる大分県は、まさに「温泉天国」「温泉県」なのです。   では、温泉の「価値」はどのように判断するのでしょうか。我々大分県にいる不動産… [続きを読む]

地図との付き合い - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  不動産鑑定に携わっていると、様々な地図と付き合うことになります。まず、対象不動産の場所、位置などを特定するため住宅地図やネットの地図を使うことに始まり、現地に行くときにはスマホを持ってという具合です。物件を特定するといえば公図も欠かせません。ところがこの公図、あたかも実測図のように見えますが、昔はボロボロの和紙に筆で書かれており、分筆のたびに朱線で書き込まれていたりします。いわゆる旧土地台帳付属地図です。各筆の位置関係は把握できますが、実測図とは似て非なる物です。内容に漏れがある場合もあり、方位が東西… [続きを読む]

年の初めに考える家族間の信託 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  新年明けましておめでとうございます。鑑定法人エイ・スクエアも一つ歳を取り、数えで17歳になりました。   昨年は、「家族の信託」が多くの人の興味を誘い、信託の新しい波が全国に伝わったと思います。この背景には、超高齢社会の進展があることは間違いありません。老老介護という言葉がありますが、財産の管理運用の世界でも、同様なことが起こり始めています。賃貸アパートの家賃収入で老後のゆとりを確保する一方、貸家建付地、賃貸事業用小規模宅地の評価減を活用した相続税対策を企図したものの、必要十分なメンテナンス… [続きを読む]

「空き家特措法」による問題展望 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  空家等対策の推進に関する特別措置法(いわゆる空き家特措法)が平成26年11月27日に公布、続いて翌27年2月から政令、施行規則(省令)、基本指針(告示)が示されて平成27年5月26日に完全施行されました。各自治体では以前から「空き家」問題を認識し、さまざまな関連条例を制定して「適切な管理が行われていない空家等」の防災、住環境阻害問題に対応、さらに活用のための対応をしてきています。これらを国(国土交通省)が統一的な基本指針を策定、支援する体制を創り上げたものといえます。また、学会関連でも(公益社団)日本… [続きを読む]

大学非常勤講師室の面々 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  大学の客員教授として学生に「不動産」を教え始めて10年以上が経ちました。研究室は不要として通常は非常勤講師室に居ます。今回は非常勤講師室の友人達をご紹介したいと思います。   まずは、最初に仲良くなった西洋哲学のH先生。57才、独身。鼻の下に髭をたくわえたスマートな紳士です。気に入ったのは、健康診断の話題になったときの彼の答え。「健康診断をして病気が見つかると困るから、私はしていません。私は西洋哲学を勉強してきたから、西洋医学者の考え方を知っています。彼等の、なんとしても生き長らえさせる、と… [続きを読む]

「武蔵小杉」今昔 - 藤田洋美不動産鑑定事務所/藤田洋美

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  「住んでみたい街」ランキングで上位につける川崎市中原区の「武蔵小杉」。神奈川県が9月16日に発表した2015年の基準地価(7月1日時点)でも、武蔵小杉駅に近い商業地の地点でこの1年間の上昇率が10.3%と県内第1位となった。10年前の平成17年の約1.9倍の水準である。住宅地でも、駅北西に位置する再開発エリアに近い地点は県内第3位という高い地価水準となり、武蔵小杉の勢いはまだ続いている。   私が中原区に引っ越して来たのは今から10年前のこと。当時、タワーマンションは一棟も建っておらず、綱島… [続きを読む]

“とりあえず共有”した相続物件の売却 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  現在92歳になる義母が5年前に相続した空家とその敷地は7人の共有になっており、固定資産税の負担按分等、管理が煩わしいので、早く売って欲しいとの相談を受けていた。その土地は、水路に橋を架けて公道に出入りするため、売るには難しい物件だったが、幸い、隣地の所有者と共同で両土地を併せて一括地として売却活動をしたところ、道路接面状況の改善が図れ、成約にこぎ着けることができた。   本件は、売主である7名の共有者のほとんどが高齢で、二次相続も発生していた。高齢の共有者ばかりだと、売却を進めていく上での意… [続きを読む]

「信託」ブレイクの予感 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  超高齢社会の到来で、判断能力、意思能力の衰えた高齢者の財産の適正な管理運用と承継が社会的な問題としてクローズアップされてきた。「信託」はそれを行う場合の一つの有力な手段である。自らの資産管理ができなくなってしまうおそれのある高齢者が、その資産を息子などの親族に「信託」して管理運用を任せる方法である。ただし、管理運用により生じる成果は自ら受け取ることにすることができる。賃貸用不動産などの管理運用は息子に任せ、その成果は自らが受け取って、老後の生活費、療養費などに充てるしくみである。   「信託… [続きを読む]

筆界特定制度-街なか再生へ向けて - 田中不動産鑑定/田中計機

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  大阪市内の旧来からの商店街の中には、再開発等どころか、一つの建物の建替えすら進まないケースがある。大阪は東京と比較してそもそも都市活力が弱いということもあろうが、「筆界」と「所有権界」が混乱していることも原因の一つである。筆界とは「公法上の境界」ともいわれ、不動産登記の手続きにより決定された一筆の土地の範囲を示す界のことで、所有者の意思では動かせない。一方、所有権界とは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、隣接所有者との話し合いで自由に決めることができるため、境界でもめるということが起こる。 &nbsp… [続きを読む]

「空き家820万戸」の問題 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  5月の爽やかな季節のある日、ウオーキングに万歩計を持ち、桜新町から弦巻、世田谷住宅街を散策しながら松陰神社を目ざしました。住宅街のなかに「空き家」らしき住宅がポツポツと見受けられます。そのまま居住出来そうな家屋、また、屋根、窓庇の崩れそうな家屋、玄関先の空き地にごみ袋の積み上げなど様々です。「もったいないな!」「不用心だな!」「近隣居住の人達に迷惑では?」などなど・・いずれも「こんな場所にこんな空き家が・・」といったイメージです。   汗をふきふき世田谷区民会館、区役所に立ち寄りました。公共… [続きを読む]

少子高齢化と人材育成 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  外食産業などサービス業の人手不足が深刻化している。理由としてよく言われるのが、少子高齢化による生産年齢人口の減少だ。2014年時点で、団塊世代が含まれる65歳以上層の就業者数は681万人であり、全体の10.7%を占める。この層に続く世代では、55~64歳層が1,152万人、45~54歳層が1,360万人、35~44歳層が1,514万人、25~34歳層が1,152万人であり、団塊世代の退出がもはや終ろうとしている現在、各企業において、円滑な技能継承の仕組みを整えていくことは喫緊の課題となっている。 &n… [続きを読む]

「銀座」百景 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  3月18日に発表された本年1月1日時点の公示地価では、全国で最も高額な地点は銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」で1平方㍍当り3,380万円。この1年間で14.2%上昇した。高額地点上位5位のうち4ヶ所が「銀座」で、その“実力”には改めて驚かされる。商業地の地価が高いということは、収益力が高いということにほかならない。三越伊勢丹ホールディングスが発表した2月の売上高速報によると、旗艦店といわれる新宿、日本橋、銀座の3店の中で、銀座店の売上げが前年同月比25%増と最も高かったようで、2月の春節時期に限らず、… [続きを読む]

プロパティ・マネジャーと建築士の先生 - 森島不動産コンサルタンツ/森島 義博

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  西新宿の堂々とした東京都庁舎、1990年12月に完成して既に24年経過しました。雨漏りがしたり外壁修理が必要になっていますが、複雑な意匠の大規模建築物の故、大変な資金が必要で困っているとのこと。こうしたビル管理「以前」の問題にプロパティ・マネジャーがもっと関わりを持てれば、低コストで快適なオフィス環境が提供できるという例は多いようです。   ○あるオフィスビルのリニューアルに関する打ち合わせの席で… 建築士A先生:「玄関の床はビルの顔にもなるので、鏡面仕上げの御影石を貼りましょう。上品で綺麗… [続きを読む]

杜の都の「伊達」な地下鉄、本年末に開業 - 北斗総合鑑定/秋元 康男

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  平成27年12月6日、「杜の都」仙台市に二本目となる仙台市営地下鉄「東西線」が開業する。「東西線」は、仙台市南西部の「八木山動物公園」駅から、都心部の「青葉通一番町」駅、JR「仙台」駅等を経て、仙台東部道路「仙台東」I.C.付近の「荒井」駅まで、仙台市を東西に結ぶ約13.9km、全13駅の路線である。東日本大震災による工事中断を乗り越え、本年12月の開業が決定した。同路線に導入される新型車両2000系は、「自然と調和し、伊達の歴史を未来へつなぐデザイン」をコンセプトに、伊達政宗公愛用の兜に使われている… [続きを読む]

無形民俗文化財「世田谷ボロ市」に行ってきました - 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  毎年12月と1月の15日、16日の両日に開かれる「世田谷ボロ市」は、世田谷区1丁目の大場代官屋敷表門前を中心として天祖神社、上町まちづくりセンター、年金事務所から世田谷中央病院に至るボロ市通りを含め、世田谷通りの南裏筋界隈の路地に約700店舗が臨時出店して、公称述べ80万人を超える人出で賑わいます(せたがやボロ市保存会資料より)。このボロ市の始まりは今から430数年まえに開かれた「楽市」に遡ります。これは代官である大場家が保存してきた天正6年(1578年)9月、小田原北条氏政が世田谷新宿あてに発した「… [続きを読む]

黒田長政家臣ゆかりの「飯田屋敷の大銀杏」 - プラス不動産鑑定/岩隈 良弘

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  福岡県が発表した県内の基準地価(7月1日)によると、景況感の改善傾向を反映して県内の202地点で上昇し、福岡市では住宅地、商業地とも上昇して5年ぶりのプラスに転じています。とりわけ、都心部の中央区及び博多区は大きく上昇しており、そのような中、本年11月に中央区大名にある「日本たばこ産業・JT福岡ビル」(1980年築)の土地・建物(約3千㎡)の入札が行われました。新聞報道に依ると、最低落札額は約36億円でしたが、予想を大幅に上回る50億円程度で大和ハウス工業が落札したとのことです。同ビルは西鉄グランドホ… [続きを読む]

増改築や修繕を反映させる鑑定評価基準の改正 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  不動産鑑定評価基準が改正され、11月1日より施行された。改正の背景には、不動産市場をとりまく「状況の変化」があり、それは①不動産市場の国際化の進展 ②ストック型社会の進展 ③証券化不動産の多様化の3点に集約されている。ここでは、②について、特に建物評価についての問題点について、デューデリジェンス及び鑑定の現場での体験を踏まえて考えてみたい。   日本で不動産の流動化が始まってから15年ほど経つ。一旦所有すれば殆んど“動かない”ものであった土地・建物を、証券に化体させて動かす(流通させる)とい… [続きを読む]

富岡製糸場と絹産業遺産群 - 神林不動産鑑定/神林宏明

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  群馬県はかつて上野(こうずけ)・上毛・上州とも呼ばれており、関東で一番北部に位置します。人口は約198万人ですが、県土面積は約6,363k㎡あり、大きさは全国第21位です。日本列島のほぼ中央にあり、県西・県北の県境には山々が連なり、南東部には関東平野が広がることから、県形は鶴が飛翔している姿にたとえられます。県土の約3分の2が丘陵地帯で、周辺を新潟県、長野県、埼玉県、茨城県、栃木県、福島県に囲まれた、内陸の「海なし県」でもあります。   東京から高崎市まで新幹線で約1時間とアクセスは決して悪… [続きを読む]

心理的瑕疵物件について - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  最近、陰惨な事件・事故のニュースが目立つ。自殺や殺人事件、孤独死などがあった場所は、人の取得意欲を減退させる。したがって流動性を欠き、その不動産の価格は大幅に低下することになる。自分の所有物件で事件・事故が起こった場合の賃貸人の心情は、察して余りある。   不動産において、自殺や事件があったことは「心理的瑕疵」として認識され、不動産市場においては「事故物件」と言われ、キズモノと言う扱いを受けている。売買や賃貸をする場合には、相手側に告知をしなくてはならない。   判例では、部屋のベ… [続きを読む]

台湾人の不動産投資事情 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  6月下旬に台北市で開かれた「第2回沖縄・台湾不動産鑑定フォーラム」に参加した。20年以上前になるが、筆者は同地に2度にわたり長期滞在したことがあり、久しぶりに故地の変化を垣間見ることができた。同時期に前後して駐在した北京では、現在では空港から車に1時間近く乗っても、当時見慣れた建物を見つけるのは難しいが、台北では空港を出れば以前とほぼ同じ景色が広がっている。地下鉄や新交通システムにより利便性は向上したが、都市の“骨格”は大して変わっていない。九州とほぼ同じ面積ながら、人口密度は倍以上という台湾は、今で… [続きを読む]

いわゆる「車返団地事件」にみる固定資産課税評価と鑑定評価について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  あるきっかけにより、いわゆる「車返団地事件」の最高裁、東京高裁の判例を閲覧、その内容を確認することとなりました。これについて私の感じたことを述べてみます。   この事案は固定資産課税評価額を不服として申し立てられたものです。固定資産税、都市計画税は賦課課税方式により課税庁である市区町村が課税評価額を評定して税額を決定して賦課していますが、納税義務者等からの不服申し立てにより「税額修正」が行われる場合があります。平成24年総務省調査結果によると、修正要因として土地、家屋とも「課税評価額の修正」… [続きを読む]

ひとが増え続けるまち、滋賀 - 株式会社新日本鑑定法人/齊藤 美絵

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  滋賀県というと「琵琶湖があって、人口減少と高齢化の進む地方都市」というイメージを持っておられる方も多いのではないだろうか。琵琶湖はもちろんわが県が全国に誇るシンボルなのだが、実は人口増加率全国7位!過去30年のデータを見るとずっと増え続けており、推計では2015年がピーク、その後減少するも、2035年における2005年からの増減率予想では全国3位をキープする。その要因は何か?   まずあげられるのが大学の設置であろう。この20年余りの間に7大学の開学があった。中でも立命館大学が進出した草津市… [続きを読む]

市場転換期にあるゴルフ場の鑑定評価 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  ゴルフ場の市場規模は、少子高齢化や景気低迷によるプレイヤーの減少により、ピーク時の約半分となっている。「レジャー白書2013」によると、平成24年に1回以上プレイした人の数は790万人、市場規模は9,110億円であるが、平成4年には1,480万人、1兆9,600億円もあった。国内ゴルフ場は、利用者数の減少に加え、客単価の下落が続き、厳しい環境が続いているが、最近は外資のゴルフ場保有解消が進みつつある。以下、変動するゴルフ場の鑑定評価の今を考える。   以前は全ての土地がゴルフ場としての課税評… [続きを読む]

回復軌道に乗った三大都市圏の地価 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  3月18日に発表された公示地価は、三大都市圏の商業地では6年ぶりに上昇に転じ、デフレ収束を告げるものとなった。住宅地も、大阪圏は▲0.1%ではあったが、東京圏(1.4%)、名古屋圏(1.1%)とも昨年までの水面下から抜け出した。三大都市圏の商業地の地価は、08年のリーマンショックで大きく落ち込み、その後の回復度合いも住宅地より劣後していたが、一昨年12月の政権交代直後から急速に上昇テンポを速め、遂に今回、住宅地の上昇率を大きく上回った。とりわけ、東京都の商業地は、2.3%の上昇で際立っている。全国の地… [続きを読む]

工場財団のメンテナンスと新たな活用(その2) - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  前回に引き続き、「工場財団のメンテナンスと新たな活用」について述べてみたい。 先般、工場財団を評価させていただく機会に恵まれた。それは、工場財団組成済みの異業種の工場を購入し、時代の先端を行く製品の工場を新・増設したが、旧工場の土地・建物・工作物・機械器具等も含めて、担保評価替えを行って銀行借り入れを増やしたいということだった。その工場は、大手ゼネコンの施工による堅固な建物で、前会社の工場再編で不要となったものを割安な価額で買受けたものだった。今回の新工場増設に伴い行った評価替えにより、既存の工作物・… [続きを読む]

工場財団のメンテナンスと新たな活用(その1) - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  最近、立て続けに3件の「工場財団のメンテナンス」についての相談を受けた。 一つは、工場財団組成済みの古い工場を購入し新工場を増設したが、古い工場の土地・建物・工作物・機械器具等を含めて、担保評価換えを行って銀行借り入れを増やしたい。二つ目は、М&Aを行ったが、被合併会社に減損の兆候あり、土地の再評価を行いたい。三つ目は、工場を売却したいと思っているが、工場財団目録等の整備をここ十数年間行っておらず、実態と合っていないがどうしたらよいか…というものである。   工場財団については、バブル崩壊以… [続きを読む]

「3」と云う文字で表される事柄について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

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  2013年は政治、経済とも日本が徐々に上昇気流に乗りつつある1年でした。また、国政を司る人たち(の能力次第)により、これほど国民生活が翻弄されるものだということが実感できた年でもありました。「デフレ経済は悪くない」なんて誰が言ったのでしょうか?国家経済に及ぼす力が大きい「日銀の施策」が海外の「中央銀行の施策」とかけ離れていたのは何故でしょう。なにはともあれ、自民党中心の「安倍内閣」による「アベノミクス」「3本の矢」が実行されていくことが望まれてなりません。 「3本の矢」とは①金融緩和(日銀の公社債等の… [続きを読む]

不動産景気と漠然とした不安 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  今年の不動産業界における話題は、何と言ってもアベノミクスと東京オリンピックだ。どちらも、景気が良くなって不動産業界を潤すように感じる。ホントか? 首相と日銀総裁が変わり、金融政策が大幅に変更されて20年にわたるデフレから脱却したと喧伝された。株価は急上昇、文字通り気分としての「景気」は良くなった。資産のもう一つの代表である「不動産」の価格も上がるだろうと思うのは当然である。ある仲介業者は、個人投資家からの収益用不動産の問い合わせが1年前の4倍になったと言う。リートは増資を行って新規物件の取得スピードを… [続きを読む]

Only Yesterdayの収益還元法 - 高瀬不動産鑑定事務所/高瀬博司

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  投資ビルの鑑定評価を収益還元法の手法で行うことは今や常識中の常識である。しかし、これが鑑定の常識になったのはついこの間Only Yesterday、即ちバブル崩壊以降のことである。それまでは、投資ビルの評価の手法はと言えば、原価法または取引事例比較法、とりわけ取引事例比較法であった。「不動産鑑定評価基準」には、これらに収益還元法を加えた三手法を併用せよとあるが、一人「収益還元法」のみが刺身の端扱いにされていた。   バブルの崩壊は従来の不動産の需給関係を一変させた。稀少性ありとされていた不動… [続きを読む]

「暑さ日本一」を更新した四万十市 - 植田不動産鑑定所/植田将司

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  本年の夏は高知県でも歴史的猛暑となった。ご承知のとおり、四万十市西土佐江川崎で8月12日に国内での最高気温を6年ぶりに更新する摂氏41.0度を記録した。また、7、8月の2ヶ月間に「猛暑日」を36日観測し、県内16の観測地点で猛暑日の日数総計が昨年の約17倍の172日にもなり、アメダスのデータが残る1977年以降で最多となった。   気象庁によると、全国的に猛暑となった要因は太平洋高気圧の勢力と配置にある。今年はフィリピン周辺の海水面の温度が高かったため上昇気流が発生し続け、気流の下降先である… [続きを読む]

世界遺産(文化遺産)に登録された富士山 - 松浦不動産鑑定所/松浦英彦

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  本年6月、ユネスコの諮問機関イコモスは、富士山を世界遺産に登録すると発表した。事前に登録構成資産からの除外を指摘されていた三保松原を含んでの登録決定の報であったため、地元の喜びは一層大きいものがあった。静岡市で不動産の鑑定業務に長年従事してきた筆者にとっても、登録決定までの動きを振り返ると感慨深いものがある。   静岡・山梨両県及び関係市町村が富士山を世界遺産に登録するため、推薦書原案を文化庁に提出したのは平成23年7月であった。これは、世界遺産の評価基準に基づいた富士山の価値の証明と、適切… [続きを読む]

九州で相次ぐ駅ビル建設とその展望-大分の場合-長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

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  JR九州が発表した2014年3月期の設備投資額は前年比49%増の621億円と過去2番目に高い水準となっており、その中心が総事業費約200億円、本年4月30日に着工し、2015年春に竣工予定のJR大分駅ビル(仮称)の建設である。   JR大分駅ビルは地上21階建、1~4階が店舗、上層階にはホテル、温泉施設が入る。延べ面積約10万7千㎡のうち、約3万1千㎡が店舗で、物販、飲食、シネマコンプレックスなど170店舗が出店する予定。規模としては、9年前に開業した鹿児島中央駅ビル並みであり、初年度の売上… [続きを読む]

東日本大震災より2年4ヵ月~被災地の今 - 北斗総合鑑定/秋元康男

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  未曽有の大震災から、間もなく2年4ヵ月。東北の被災地でも少しずつ復興の兆しが見えてきた。   東日本大震災により宮城県内で発生した震災瓦礫の総量は、災害廃棄物と津波堆積物を合わせ約1,795万t。これは通常のゴミ処理能力で試算すると、処理完了迄19年程度を要すると言われた膨大な量であった。被災地の多くは、沿岸部に位置し平坦地が少ないため集積場適地が足りず、石巻市では高さ約20m(7階程度のビル相当の高さ)まで瓦礫が積み上げられていた。この「瓦礫のビル」を目にする度に、処理の長期化を懸念し、暗… [続きを読む]

道路上に張り出している樹木・竹林の伐採 - 幸﨑不動産鑑定士事務所/幸﨑 任宏

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  青葉・若葉が眩しい時期、道を歩いていると、アパートや一軒家の植え込みから公道に伸びてきた植物をよく見かけます。蔓などはそれほど障害にはなりませんが、樹木・竹林・プランター等が張り出していたり、枯れ木や折れ木ともなると歩道が狭くなり、車を避けにくくなるなど非常に危険です。これらの伐採・枝払い等の管理は、土地所有者が行う必要があります。   伐採作業を行うとき、電線や電話線等が近くにある場合は、気をつけて作業を行なう必要があります。危険を伴う場合は、事前に最寄りの電力会社またはNTT等に連絡し、… [続きを読む]

技能を磨くには知識プラス実践が肝要-評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  ある日の朝、携帯電話に事前登録してある電話番号を明示して時間待ち・・・9時になり即発信、ツーツーツー・・・、お話し中、駄目か、先着30名限りなのであせるな? 再発信、ツルルー・・ガチャ・・「はい、こちらは○○協議会事務局、△△です。」よかった、つながった・・「あのー、普通救命救急講習会に参加したいのですが・・・」「参加申し込みですね。お名前、住所、連絡電話番号を・・・・・・。」   私も「普通救命救急講習会(3時間)」に参加して救命措置の基本を学ぶことにしました。 おりしも2011.03.1… [続きを読む]

物流システムの変化と倉庫の在り方 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  製造業、物流業、小売業を巻き込んだ物流システムの革新が起こっています。アマゾンをはじめとした新しい物販業者の商売の在り方が倉庫の在り方を革新しています。そこでは「サプライチェーンマネジメント」と呼ばれる、部品の調達から製造、販売までの複数の企業にまたがる物資の流れを<供給の連鎖>としてひとまとまりで管理する手法が取り入れられています。このような物流システムを支えているのがIT技術であり、よりきめ細かな在庫管理等を可能にし、物流スピードを激変させました。   このように高度化・複雑化する物流ニ… [続きを読む]

貸ビルは節税対策の宝庫である(その2) - 横須賀不動産鑑定事務所/横須賀 博

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  昭和30年代半ばから税理士を本業としていた私は、銀座の貸ビルの取得を機会に家族全員が株主となって株式会社を設立、貸ビル業も兼業することになった。昭和42年には不動産鑑定士の資格も得て、その後も貸ビル事業を拡大すべく、銀行借り入れによって新たな貸ビルを取得した。バブル崩壊により、銀行からは融資引き締めや繰り上げ返済の要請もあったが、個人財産を処分して、どうにか貸ビル事業を継続することができた。その後、不動産価格は右肩下がりを続けたが、貸ビルはその時代に見合った賃料を得ることができ、相応の法人税の支払いは… [続きを読む]

貸ビルは節税対策の宝庫である(その1) - 横須賀不動産鑑定事務所/横須賀 博

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  昭和30年代半ばに税理士の資格を取得した私は、税務相談を主業としていたが、月毎に相談件数も増え、先行きの見通しに明るさが見えてきた。そんなある日、土地分譲の広告を目にしたことから、現地見学会に参加した。都市の人口が増加する中、地価の値上がりは容易に理解された。そのために税務相談で得られた利益の大半を分譲地の購入資金に投入した。当時の土地の分譲は月賦販売が主流であり、銀行からの借り入れも容易であったため、名のある地域の分譲地数か所を比較的容易に購入することができた。なお、私はその分譲地の中でも最も高い東… [続きを読む]

中古建物評価の新手法 - 株式会社加門鑑定事務所 / 代表取締役 岩崎 隆

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  不動産鑑定士が評価する対象は主に土地及び複合不動産(土地建物)が多いが、近年は需要の多様化により建物単独の鑑定評価が注目されている。   中古建物を時価評価して取引価格や融資額の指標とし、中古建物市場の円滑化、活性化を図ろうという趣旨である。これはごく基本的な需要なのだが、今更のように感じるのはこれまでのわが国の建物に対する社会の認識がスクラップ&ビルド方式の上に立っており、建物を補修しながら数十年単位の長期間にわたって使用するという発想に乏しかったためかもしれない。 1.中古建物評価の新手… [続きを読む]

祝成人-「定期借地権」生誕20周年 - ㈱ヒルマ / 比留間康昌

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  借地借家法は平成4年8月に施行されましたので、定期借地権(一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権)は今年で丁度、生誕20周年を迎えたことになります。人間にたとえるならば、成人式を迎え、親元を離れ、自他共に大人の仲間入りを果たしたことになります。   当社の事務所がある東村山市では、都営住宅跡地で280戸に及ぶ戸建定期借地権分譲が実施されたり、また、郊外ではあまり目にしない定期借地権付のマンション分譲があったりと、定期借地権がより身近な存在に感じられます。ここでは、それぞれの定… [続きを読む]

福島県郡山市「原発圏外」その後 - パートナー鑑定法人 / 吉田健次

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  今年の夏も猛暑だった。8月下旬、高校生の娘が学校のプールを楽しみに登校して行ったが、プールはなかった。「セシウムが出たから」。どうやら前日の夕立が影響したらしい。セシウムが雨で流され移動することは周知だ。少しでも検出されればプールは中止となる。聞けばクラスの女子の半分以上が放射能のセシウムを嫌がって、プールは「見学」と決めているそうだ。福島県は県医大の協力を得て18歳以下の子供たちの内部被爆検査を実施している。来春の卒業を控えた高3女子から優先的に検査が行なわれた。結果は全員ND(=Not Detec… [続きを読む]

俄か「大家」の脱帽 - 株式会社中央鑑定所 / 畠中政國

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  私の会社は総勢十人程の小さな不動産鑑定事務所である。   そこの社長を務める私が、「大家の悩み」を持つことになるとは!   事の始まりは、私も出資者の一人である合同会社が東広島市の中心市街地活性化事業の基本構想づくりを受託したことからはじまる。東広島市の西条は、兵庫の灘、京都の伏見と並び称される銘醸地のひとつであるが、その基本構想の中に「酒蔵通り」活性化のための「駅前屋台村」の建設運営事業があった。   平成二十年六月に八人の共同出資と市内六行の協調融資による借入れを原資… [続きを読む]

地方都市のビル経営 - 長嶋不動産鑑定事務所 / 長嶋敏行

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  「何い!!社宅の入居希望者が誰もいない?」   これは、当社ではじめて起こった出来事である。よく聞いてみると、今住んでいる住居ビルのオーナーがよく面倒をみてくれるので、社宅には移りたくないとのこと。その面倒見の良さとはー (1)敷地内にゴミの中間分別収集所があり、毎朝そこに分別して投げ込んでおくとオーナーが収集日にまとめて出してくれる。 (2)水道管が詰まったらすぐにオーナーが来て直してくれる。 (3)毎朝声をかけて何かと面倒をみてくれ、心強い。とのことだった。 他の社員も似たりよったりで、… [続きを読む]

公益法人制度改革と鑑定評価 ― 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  公益法人制度は明治 29 年の民法制定時に創設されて以来、100 年以上も抜本改革されずに来ました。そのため、全国に約2万5千あるといわれる公益法人の中には、世の中の変化に対応できなくなっているケースも散見される等、“制度疲労”が顕在化しています。平成 20 年 12 月に「新公益法人制度」が施行されたことにより、新たな社団や財団の設立に向けて、既に約40%の旧公益法人が移行申請済で、うち約8,700法人が手続きを完了しています。申請期限は平成25年11月末ですので、これから申請の最終段階に入っていく… [続きを読む]

狭あい道路拡幅整備について ー 幸﨑不動産鑑定士事務所 / 幸﨑 任宏

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  私たちの身近にある道路は、単に人や車が利用するということにとどまらず、たとえば防火・避難・建築環境などとも密接に関係し、都市機能に重要な役割をしています。このため建築基準法の集団規定において①敷地の接道条件、②道路内の建築制限、③道路幅員による容積率制限、④道路斜線制限といった要件について規定が設けられています。 建築基準法では、幅員が4m未満の道路に接する土地に建物を建てる場合には、建物の敷地はその道路の中心から2m後退しなければならないとされています。   建築基準法で定められている道路… [続きを読む]

「不都合な真実」に顕れる事実-評価コンサルオフィス・ケン / 桂 健二 

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  パソコン画面で You Tube をアクセス、2012年5月6日茨城県つくば市で発生、大きな被害を生じた竜巻の映像を視ました。まさか日本で、首都近郊でこのような気候変動が現れるとは・・・改めて四季麗しい日本の気象、風土の異常とも思われる変化を恐ろしく感じました。 いみじくも前日5月5日、午前11時、北海道電力泊原発3号機の稼働停止により42年ぶりに日本国内における原発が54基すべて停止状態となったとの発表がされたところでした。また、同時に、関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働が安全性の不安(?)なまま… [続きを読む]

緊急輸送道路沿道建築物の耐震化-森島不動産コンサルタンツ/森島義博

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  「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」(以下、「この条例」という)は、かなり異例な条例である。なにしろ、今まで完全に合法であった建築物について、従来行われてきたような一般的な普及啓発や努力義務に終わらせることなく、耐震化に向かって新たな義務を課し、東京都として直接的な働きかけを行うのであるから。   この条例は、平成23年3月11日に東京都議会にて決議された。そしてその1時間後に東日本大震災が起こったのである。そのとき議場には多くの議員が大地震の揺れの不安に耐えていた。… [続きを読む]

人生の分かれ道 - 岡本不動産鑑定所/岡本憲二

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  8月には65歳を迎えますが、人生を80年と仮定した場合、私の人生時計は間もなく午後7時半。残された時間は僅かとなりましたが、今夜は適当にチャンネルを回しながらテレビでも見て寝るか、それともじっくり本でも読むか、はたまた「夜の帝王」気取りだった若い頃の一時期を思い出し夜の街へでも繰り出すか、終着駅を見据えここが思案のしどころといったところですが、過ぎし日を振り返ってみると、あの時の先輩への対応が人生の大きな分かれ道だったようです。   某銀行の名古屋支店貸付係で仕事をしていた新婚ホヤホヤの私に… [続きを読む]

パソコン対不動産鑑定士 - 井上不動産鑑定事務所/井上啓一

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  「パソコンなし 携帯もなし どうもなし」。ラジオの川柳番組で耳にした句である。機械物が苦手な私には好ましい世界であるが、仕事の面ではパソコンは必需品であり、パソコンなくして「どうもなし」とはいかないのである。   平成元年に独立開業したときに揃えた事務機器はコピー機、ワープロ、ファックス、電話等であった。当時としてはこれが一般的であり、パソコンは未だなかった。(あったのかもしれないが、一般には普及していなかった。)それから数年後、鑑定業界にもパソコンが普及し、いまや欠かせないものとなっている… [続きを読む]

高齢化社会を睨んだオフィスの用途転換-鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  今年の新成人は全国で124万人とのことで、「団塊の世代」の最後の年-1970年の新成人247万人の丁度半数に当たる。ここまで少子化が進んだことに愕然とする一方、「団塊の世代」が65歳を迎え、ビジネスの現場からほぼ完全にリタイアするまであと3年といわれると、高齢化社会の到来に現実味を感じる。   退職者が増加する反面、新卒者は大幅に減り、更には円高による国内産業の空洞化で“社会減”も進行している。あれやこれや考えると、働くスペースはこれから少なくて済むはずだが、現実の動きはその逆だ。東京ではオ… [続きを読む]

「鑑定士今昔」のよもやま話 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  昨年は(この稿が記載されるのが 2012 年新年であることから)、内には東日本大震災と福島原発事故、外にはギリシャ国債の価値低落に始まるユーロ圏の金融財政危機勃発と言った暗澹たる情勢で新年を迎えることとなりました   このような状態であるに拘らず日本的‘まあ~まあ~’の精神によるものでしょうか?日本国を牽引する政治家の皆さんも‘まあ~まあ~’と感じているのは私だけでしょうか?・・・有識者や学者先生方はマスコミや著書を通じて 1930 年代からの世界金融恐慌の時代に似てきているとして歴史は繰り… [続きを読む]

「埼玉」の語源はさきたま? ― さきたま不動産鑑定事務所 / 山口 邦男

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  営んでいる不動産鑑定事務所が「さきたま」という社名なので、「さきたま」について語らせていただきます。「さきたま」とは、現在の埼玉県名「さいたま」以前に発音されていたもので、平安時代の文献では「前玉」と標記され、「さいたま」は「さきたま」から派生した音便というのが一般の見解のようです。   実際にわたしの事務所のある埼玉県行田市大字埼玉は、「埼玉」を「さきたま」と発音しては、まさに埼玉県名発祥の地であり、ここぞ「埼玉」という思いがあります。太平洋戦争中、地元から出征した兵士が上官から出身地を尋… [続きを読む]

資 産 雑 感 – 株式会社 北海道鑑定 / 林  誠

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  赤字国債を九百数十兆円、国民資産は約千四百兆円あるといわれ、かつ国債の大半が国内にて吸収されているという要因はあるが、国民総生産高に対する発行残高比率は220%超にもなり、2位のギリシャの約160%以下の他国を大幅に上回っております。 また、現在65歳以上が全国民の5分の1に達し、これからベビーブームの世代が65歳以上になっていくことから、年金の原資は必要となる一方です   赤字国債は、毎年四十数兆円発行されており、この分だと近い将来(消費税が5%で他国では15%位が多いので裕りがあるとかを… [続きを読む]

シニア期の住まい方に関する意識調査 – 洋和不動産鑑定所/山本 英博

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  高齢者の独居世帯は10年470万世帯が25年には680万世帯に増え、高齢者人口に占める割合は20%にも達するといわれている。しかしこういう高齢者に対する住宅の手当てはいたって貧弱といわざるを得ない。   (社)不動産協会調べの「シニア期の住まい方に関する意識調査」によると賃貸型シニア向け住宅に住み替えるきっかけとして「配偶者を亡くし一人暮らしになったとき」「自分自身や配偶者が介護を必要となったとき」「自分自身や配偶者の健康状態が不安になったとき」が上位を占めた。   最近かつての同… [続きを読む]

環境格付けから環境不動産評価格付けへ – 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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  「環境不動産ポータルサイト」と「国際土地政策フォーラム」から環境価値と不動産市場の関連について一言述べてみます。 環境格付けが言われだしたのは1990年代からで、1992年ブラジルでの地球サミットのテーマとなって定着してきたものといわれています。日本では1999年の日興証券のエコファンドを初めとして、SRI(社会的責任投資)ファンドが運用されてきています。 とりわけ、政府(環境省)の緊急無利子融資(2009年度~)で環境格付けを受けることが盛り込まれ、指定金融機関となった日本政策投資銀行(DBJ)が地… [続きを読む]

子供のころの大地震の経験 – 千代田都市鑑定/土内 昌紀

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自分は北海道の南端の襟裳岬から北西方約三十㎞の小さな漁村で生まれ育った。サラブレッドや日高昆布の産地として知られるが、十数年から三十年程度の周期でマグニチュード八前後の大地震(十勝沖地震)に襲われている地域である。 [続きを読む]

第25回PPC(環太平洋鑑定会議)バリ島会議に参加して – 大野不動産鑑定/大野 克夫

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その題名は「リーマンショック前後における神奈川県横浜市の不動産取引及び不動産競売の動向」で、概要を示すと次のとおりである [続きを読む]

昔の名前で出ています – 洋和不動産鑑定所/山本 英博

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ビルにも名前がある。そのビルが所在する地名を冠するのが一般的と思われる。霞ヶ関にあるから霞ヶ関ビル、日比谷にあるから日比谷ビル、大手町にあるから大手町ビル、新宿にあるから新宿センタービル等々である。そんな狭い地域を名乗ってもと東京ビル、東京じゃまだ狭いと日本ビル、いやいやもっと雄大に世界貿易センタービル、さすがに宇宙ビルは寡聞にして耳にしていないが [続きを読む]

ふるさと福島県を憂う – 中央鑑定法人/田崎 建一

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2011年3月11日2時40分すぎ大地震発生。郡山市さくら通りの二階建ECビルは揺れに揺れた。背の高いキュリヤケースが倒れた。
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デフレの日本経済について – 鑑定法人エイ・スクエア/須藤 鷹千代

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最近の日経新聞の記事ですが、日本の国富が統計開始以来始めて、借金が資産を50兆円上回るとの報道ありました。
この理由は国債の発行が増え、土地価格が下落したことと分析されておりました。国富の半分以上が土地資産である以上、当然ですよね [続きを読む]

COP10(生物多様性条約)から鑑定評価へ – 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

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不動産リート等の鑑定評価ではER(エンジニアリングレポート)を参考に環境DD(デユーデリエンス)として土壌汚染やアスベスト含有建材の有無などのリスクマイナス面の定量化が主であり、投資家アンケートにあっても、収益に直結するものやマイナスリスク面の除去等は重視されていますが、環境価値(省エネ、省資源等のプラス面)の向上はあまり重視されていないのが現状です。

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