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少子高齢化と人材育成 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

 

外食産業などサービス業の人手不足が深刻化している。理由としてよく言われるのが、少子高齢化による生産年齢人口の減少だ。2014年時点で、団塊世代が含まれる65歳以上層の就業者数は681万人であり、全体の10.7%を占める。この層に続く世代では、55~64歳層が1,152万人、45~54歳層が1,360万人、35~44歳層が1,514万人、25~34歳層が1,152万人であり、団塊世代の退出がもはや終ろうとしている現在、各企業において、円滑な技能継承の仕組みを整えていくことは喫緊の課題となっている。

 

技能継承に成果が上がっている企業は、継承すべき技能を効果的に伝達するために、教育訓練計画を整備している。いつ、誰に対して、どのような技能を、誰が、どのように教えるかについての計画を作成している。また、中堅層の従業者は、高齢熟練技能者と若年者の間にあって、業務実施の中核をなしている。人材の育成面ではOJTによるところが大きいが、中堅従業者は、若年者の育成において、指導者として重要な役割を担っている。また、技能継承を高齢者の雇用延長等によって対応しようとする企業では、若い世代とOBとの間の人間関係の構築が問題となるが、こうした高齢者と若年者の間に立つ中堅層がコミュニケーションの仲介役として期待されるところは大きい。

 

ものづくりに限らず、あらゆる産業の職場において、新規学卒者が通常どの程度の期間で一人前(一通りの仕事ができる)とみなされるかについて、2~3年程度とする事業所が全体の約半数(49.4%)を占め、4~5年程度(28.1%)がこれに続いている。

 

団塊世代の退職などを契機として、基幹業務を担う従業者の量的、質的不足が見込まれる中で、次代を担う若年者の確保・育成は不動産業界にとっても重要な課題であることに変わりはない。仲介・開発・管理・運用・鑑定などそれぞれの業務の個別性が強く、用途の多様性を有する不動産を取り扱う上においては、基礎知識のみならず経験がものをいう。各業務の連関性が強い業種であるため、各業務で「一人前」になるまで数年かかったとしても、(必要性については異論もあろうが)不動産の全分野に一通り精通するまでは、10年以上の努力期間が必要ではないだろうか。

 

つい10年ほど前までは純粋に「国内業務」として位置づけられていた不動産の仕事が、今や最先端の国際的な業務としても展開している。企業は、BCP(事業継続計画)の観点からも、長期的な人材育成に努め、従業者は人財になるよう努力しなければならない。

 

鑑定法人エイ・スクエア

不動産鑑定士 幸﨑 任宏

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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