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プロパティ・マネジャーと建築士の先生 - 森島不動産コンサルタンツ/森島 義博

 

西新宿の堂々とした東京都庁舎、1990年12月に完成して既に24年経過しました。雨漏りがしたり外壁修理が必要になっていますが、複雑な意匠の大規模建築物の故、大変な資金が必要で困っているとのこと。こうしたビル管理「以前」の問題にプロパティ・マネジャーがもっと関わりを持てれば、低コストで快適なオフィス環境が提供できるという例は多いようです。

 

プロパティ・マネジャーと建築士の先生

○あるオフィスビルのリニューアルに関する打ち合わせの席で…
建築士A先生:「玄関の床はビルの顔にもなるので、鏡面仕上げの御影石を貼りましょう。上品で綺麗ですよ。」
ビルオーナー:「雨の日に滑り易く、危なくないですか?」
A先生:「雨の日はゴムマットを床に敷けば大丈夫ですよ。」
ここでビルオーナーは、「わかりました。それでは雨の日、濡れた床にゴムマットを敷く手間とコストは、先生の方でみて下さいますか?」…とは聞きません。

 

○1・2階を商業店舗、3階以上をオフィスとするビルの設計打ち合わせで…
建築士B先生:「店舗のサイン看板は品良くまとめて、建物の隅にキチンと並べて表示すれば十分ですよ。」
ビルオーナー:「でも店舗から看板出させて欲しいって要求されませんか?」
B先生:「赤や黄色の看板をビル前面に出されると、建物全体の品格を落とします。看板ではなくて中身で勝負する店舗をテナントにしたら如何ですか?」
ここでビルオーナーは、「では、先生がそういう優良店舗を見つけてくれたらそうしましょう。」…とは言いません。

 

A・Bどちらの先生も共に良いモノを作ろうとしています。でも何かが違います。ビルを「使う人」のことよりも、「建築作品」としての価値に重点を置いているようです。「あの窓は、ロープで降りてこないと清掃出来ないね。」と平気でおっしゃる大先生がいた、という話を聞いたことがあります。こんな時こそ、プロパティ・マネジャーは、将来の管理コストやテナントの使い易さ、貸すために必要な機能を最優先に考え、ビルオーナーに代って建築士の先生にモノ申す役割を担っています。

 

○一方、テナントからエレベーターのスピードが遅いというクレームのあるビル。
建築士C先生からの高額なエレベーター取り換え工事の見積り説明の後、プロパティ・マネジャーの一人が、「エレベーターの中に大きな鏡を取り付けたらどうでしょう?人は鏡があると自分の姿を映したくなるので、エレベーターの遅さを感じなくなるかも。」と言うので試してみたところ、クレームがすっかり消えたとのこと。グッドジョブ!

 

森島不動産コンサルタンツ

不動産鑑定士 森島 義博

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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