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「空き家820万戸」の問題 - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

 

5月の爽やかな季節のある日、ウオーキングに万歩計を持ち、桜新町から弦巻、世田谷住宅街を散策しながら松陰神社を目ざしました。住宅街のなかに「空き家」らしき住宅がポツポツと見受けられます。そのまま居住出来そうな家屋、また、屋根、窓庇の崩れそうな家屋、玄関先の空き地にごみ袋の積み上げなど様々です。「もったいないな!」「不用心だな!」「近隣居住の人達に迷惑では?」などなど・・いずれも「こんな場所にこんな空き家が・・」といったイメージです。

 

空き家のイメージ

汗をふきふき世田谷区民会館、区役所に立ち寄りました。公共PR棚に「世田谷トラストまちづくり、空き家・空き部屋等地域貢献活用企画募集中、選定されると区から助成金(1件あたり最大200万円)」「空き家等地域貢献活用相談窓口はこちらへ」のパンフレットがありました。ここでもNPO、助成金スタイルなんだなあ・・との想いが拭えません。

 

思い出しました。平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立、同法公布、平成27年2月に同法一部施行、基本指針が決定され、5月26日に完全施行されることとなりました。平成25年度総務省統計によれば、総住宅数は総世帯数を15%超上回り住宅ストックが量的には充足している一方、「空き家」は820万戸あり、そのうち「賃貸・売却目的、別荘使用目的等」を除く「いわゆる長期不在空き家」が318万戸に上がっています。

 

この特別措置法および基本指針は防災、衛生、景観等の生活環境の保護、保全を図る目的で地方公共団体の役割、国の役割を明確にするとともに、関係部局の連携体制、住民を中心とする協議会の組成が定義されています。協議会の構成員として具体的に弁護士、司法書士、宅建士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士等があげられています。不動産鑑定士としても、何をもとめられているのか?何ができるのか?何をすべきか?鑑定協会としては?・・・いろいろと考えさせられます。

 

 地方公共団体が具体的な行動を起こしています。横浜市は3月に神奈川県宅建協会、全日本不動産協会横浜支部、横浜弁護士会、神奈川県司法書士会、横浜市建築士事務所協会、横浜プランナーズの6団体と協定締結(鑑定協会は入っていません)、前橋市も県宅建協会と協定締結など、地方公共団体では「空き家の実態調査」からはじまり主として不動産業者を中心に具体的な対策を行おうとしています。

 

この「空き家対策」は防災上、税務上、法律(私権の制限?)上、さまざまな問題を抱えています。私達国民にとって、社会生活上、経済的にも社会的にも大きな問題となってくるのではないかと思われてなりません。これからもより一層注視していきたい問題です。

 

評価コンサルオフィス・ケン

不動産鑑定士 桂 健二

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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