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市場転換期にあるゴルフ場の鑑定評価 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

 

ゴルフ場の市場規模は、少子高齢化や景気低迷によるプレイヤーの減少により、ピーク時の約半分となっている。「レジャー白書2013」によると、平成24年に1回以上プレイした人の数は790万人、市場規模は9,110億円であるが、平成4年には1,480万人、1兆9,600億円もあった。国内ゴルフ場は、利用者数の減少に加え、客単価の下落が続き、厳しい環境が続いているが、最近は外資のゴルフ場保有解消が進みつつある。以下、変動するゴルフ場の鑑定評価の今を考える。

 

市場転換期にあるゴルフ場の評価

以前は全ての土地がゴルフ場としての課税評価対象とされていたが、現在は、現況が「残地森林」である区域については「山林」として扱う事が可能になり、固定資産税の課税標準額は減額されている。ゴルフ場の価格は、バブル崩壊前までは、物的経済価値を反映した積算価格を中心に考えられ、最盛期には18ホールゴルフ場で1ホール当たり5億円以上もしていた。しかし、最近のゴルフ場取引では、投資採算性の観点から、利回りに着目した取引が一般的で、鑑定評価においても収益還元法を中心としたアプローチを行うことにより、実態に即した市場価値を求めている。収益還元法には、直接還元法とDCF 法の2手法があるが、将来の収支シナリオを詳細に反映できるDCF 法を適用することが一般的である。評価に当たっては、対象ゴルフ場の収益性の現状と将来の動向を詳細に分析することが重要になる。

 

ゴルフ場の売上高は、プレイ収入・料飲収入・物販収入・年会費収入等から構成されるが、その大半を占めるプレイ収入の想定に当たっては、過去の売上実績やコースの特徴、主たる客層、存する商圏エリア内の競合ゴルフ場の来場者動向等を過去のデータから分析し、対象ゴルフ場の競争力・市場での位置付け等を分析する。売上原価・販管費は、コース管理費・人件費・料飲原価・物販原価等から成り、過去の実績を基に将来動向を想定する。費用分析に当たっては、ゴルフ場の立地条件、客層、料金体系などに応じ、コースの整備水準や従業員数等が異なってくることに留意する必要がある。

 

近年、ゴルフ場の取得に積極的な外資系を中心とした企業が増加したため、市場は過熱感を帯び、キャップレートも下落傾向にあったが、昨今は外資系企業の保有解消が進んでおり、スポンサー情勢にも大きな変化が見られる。キャップレートの査定に当たっては、このような経済動向やゴルフ場投資市場の現状を把握し、将来動向を分析することが重要だが、景気回復の足音とともに、それも今まさに転換点を迎えている。

 

鑑定法人エイ・スクエア

不動産鑑定士 幸﨑 任宏

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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