株式会社 鑑定法人エイ・スクエア-Appraisal Firm A square-

高度な専門性を有する不動産鑑定会社です。全国ネットワーク化により、あらゆる鑑定・調査ニーズにリーズナブルな報酬額でお応えします。

お問合せ専用ダイヤル (NTTフリーダイヤル) 0120-956-392  営業時間 平日 9:00-18:00

RSS FEED

昔の名前で出ています – 洋和不動産鑑定所/山本 英博

 

『京都にいるときゃ忍と呼ばれたの 神戸じゃ渚と名乗ったの』

 

ご存知小林旭のヒットソング「昔の名前で出ています」の一節である。渡り歩く女の寂しさと幸せを願う女心を見事に表現した星野哲郎の詩に叶弦大の流麗なメロディーを人気スターが歌ったことにより一世を風靡したものだ。今でも中高年おじさんの定番としてカラオケでよく歌われている。酒場で働く女性が客前で本名を名乗ることはなく、源氏名で出てくる。だからこの主人公のように酒場ごとに名前が変わるのである。

 

昔の名前で出ています

ところで、ビルにも名前がある。そのビルが所在する地名を冠するのが一般的と思われる。霞ヶ関にあるから霞ヶ関ビル、日比谷にあるから日比谷ビル、大手町にあるから大手町ビル、新宿にあるから新宿センタービル等々である。そんな狭い地域を名乗ってもと東京ビル、東京じゃまだ狭いと日本ビル、いやいやもっと雄大に世界貿易センタービル、さすがに宇宙ビルは寡聞にして耳にしていないが。

 

逆にもっと分かりやすいのがいいと銀座八丁目10番街区にあるから銀座八丁目10番ビル、日本橋交差点にあるから日本橋交差点ビルというのもある。

 

だが、最も多い名前はオーナーの名を冠するものである。だから神田駅前に所在しても上野ビルと名乗るのである。複数のビルを所有するオーナーは番号を付す。中には二桁の番号のものもある。

 

昔はビルは一生持つものという感覚であったからビル名が変わることはほとんどなかった。ところが近年ビルを投資ファンドが取得することが盛んになって、オーナーチェンジする例が多くなった。所有者の交替とともにビルの名前も新所有者(ファンド)名に替る。ファンドは所有するのは短期間だからビル名を変えなくてもと思うのだが、宣伝目的か自分名にするファンドが多い。

 

だから転売されるとまたビルの名前が変わる。短期間に四回も変わったビルがある。テナントとしてはたまったものではない。その都度変更手続きをしなければならぬ。

 

久しぶりに知人を訪ねようと近くまでいったが目的のビルが見当たらない。ビル名が変わっていたのである。中には名詞に括弧書きで旧ビル名を付け加えている会社もある。

 

電話で事務所の場所を問われ、「こちらは第9○○ビルです」といったら「旧ではなくて新しい名前を」「だからナインです」「え、無いんですか」。

 

ところで横浜の酒場で名乗っている昔の名前はなんと言うのでしょう。

 

『ボトルにひろみの命と書きました』三番の歌詞です。

 

洋和不動産鑑定所

山本 英博

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)

 


« »

お問合せ専用ダイヤル (NTTフリーダイヤル)
0120-956-392
営業時間 平日 9:00-18:00

(C) Copyright 株式会社 鑑定法人エイ・スクエア ALL rights reserved.