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寅年の不動産市況を観る - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

この2年間、コロナ禍のために景気は低迷し、経済は停滞し、人々は巣籠り生活を余儀なくされて意気消沈の日々である。世の中は元気を失っているように思える。そんな環境の中、目立たないところで不動産市場が動いていた。海外投資家による大型の日本不動産投資が続いているのである。最大の理由は、やはり世界的なカネ余り環境にある。

 

寅年の不動産市況を観る

中央銀行による金融緩和が継続し、低リスク資産である債券の利回りが極めて低くなっている。米国では量的緩和の終了が公表され、長期金利の低下に歯止めがかかっているものの、米10年債の利回りはなお 1%台半ばと低い。

 

債券投資家である年金基金や保険会社が予定利率を確保するために比較的高い利回りの見込める各種の投資を模索する中、不動産は債券代替資産としての性格を強めているのである。

 

海外投資家を日本に惹きつける理由として、「安くない都心部の不動産賃料」や「安い通貨」が考えられる。日本のAクラスオフィスビルの賃料は、世界の主要都市の中でも高い水準にある。

 

東京の家賃は国際的に見て米国や香港に次いで高く、都心部の不動産賃料は 世界的に見ても安くはない。純収益利回りは3~4%もとれるのである。また、通貨が実質ベースで過去40年間の最安値水準にあることも、海外投資家にとっての日本買い材料になっている。「安い円」を材料に、投資期間が長くインフレ耐性の高い「不動産」という資産に投資することは、 理に適った投資手法と考えられる。海外投資家が、業績低迷に苦しむ日本企業から大型のビルなどを買いまわる状況は今年も変わらないであろう。

 

一方、日本の投資家に対するあるアンケートによると、1 年後の不動産価格は「上がる」との予測が大幅に増加し、「下がる」予測を逆転。「上がる」と回答した中では、「コロナ禍の終息」を理由として挙げる投資家が多かった。

 

回答者の約 50%が直近の不動産投資へのスタンスとして「新規投資を積極的に行う」と考え、中長期的には 60%超が「買い増しを検討」している。コロナ禍終息によってワーカーのオフィス回帰の流れが強まるとともに不動産価格の上昇が予測されることから、現在を「新規投資のチャンス」と捉えている投資家が多い。今後も不動産投資ニーズが高まる予想ができる結果となった。

 

さて、四柱推命によると、今年の干支の寅は陽木を表し、大樹を意味する。寅年生まれの人は「勇気があり、陽気で活発、進取の気概があり決断力がある」とある。なんとなく明るくて力強い年になりそうではないか。コロナ禍終息を心から願いたい。

 
 

森島不動産コンサルタンツ

不動産鑑定士 森島 義博

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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