数年前に神戸について、こちらに投稿させて頂きました。その当時は、震災の長期的な影響もあり、人口減少が目立ち、都市力では同等であった京都市との差も広がり、あまり明るい情報はありませんでした。ただ、その後、神戸は中心部の再開発が具体化する等、明るさを取り戻しつつあります。再開発といえば、今はJR大阪駅北側エリアの開発が注目を浴びていますが、神戸もなかなかのものです。

中心となるのは、三宮駅前と海岸部の開発です。三宮駅前の再開発については、多数のビルの建替られる予定です。その中でも、160mの高さを誇るJR三宮駅前ビルの建て替え、バスターミナルを設置するツインタワーの建築が注目されています。駅前では、他に歩道の拡張、歩行者用デッキの設置、ベンチ、ウッドデッキ等休憩スペースの増加、公園の再整備、車優先から歩行者優先へと移行し、これまで雑然としていた部分にメスをいれ、洗練された都市へと雰囲気が大きく変わることでしょう。
海岸部の開発については、ウォーターフロント計画です。三宮、元町近辺の海岸エリアについては、ポートタワーのある西側のハーバーランド、メリケンパーク界隈は観光客も多く、比較的栄えていました。一方で、東側の新港突堤界隈は、元々倉庫等が多いエリアで、一般の観光客等にとっては、立ち寄るような地域ではありませんでした。今回のウォーターフロント計画では、主に、この東側エリアの開発が熱いです。雑然とした倉庫等は取壊され、近代的な施設へと生まれ変わる予定です。新港突堤では、2021年にアクアリウムの入る神戸ポートミュージアムが完成しています。さらに先月には、海岸部に個性的なアリーナができ、既にバスケットボールの試合がなされた他、有名アーチストのライブも予定されています。さらには西側と東側の移動を容易にする通行デッキの構想、海岸部の東西を結ぶロープ―ウェイも噂されています。
このように、震災後眠っていた神戸を震災前、もっと古くは、ポートピア81の頃のように、再活性化する施策が次々と計画され、およそ10年後には、今とは全く異なった神戸になっていることでしょう。関西人の間では、神戸は大変人気のある都市です。それが、関西以外の地方の人、インバウンドにとっても魅力のある都市へと変貌し、多くの人を魅了する街へと変化していくことに間違いありません。
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