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道路上に張り出している樹木・竹林の伐採 - 幸﨑不動産鑑定士事務所/幸﨑 任宏

 

青葉・若葉が眩しい時期、道を歩いていると、アパートや一軒家の植え込みから公道に伸びてきた植物をよく見かけます。蔓などはそれほど障害にはなりませんが、樹木・竹林・プランター等が張り出していたり、枯れ木や折れ木ともなると歩道が狭くなり、車を避けにくくなるなど非常に危険です。これらの伐採・枝払い等の管理は、土地所有者が行う必要があります。

 

伐採作業を行うとき、電線や電話線等が近くにある場合は、気をつけて作業を行なう必要があります。危険を伴う場合は、事前に最寄りの電力会社またはNTT等に連絡し、相談をした方がよいでしょう。また、作業にあたり、通行車両・自転車および歩行者の安全確保を図るとともに、脚立等からの転落防止にも注意する必要があります。

土地所有者の責任については次の定めがあります。
◆民法717条(土地の工作物の占用者及び所有者の責任)
・土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
・前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
◆道路法第43条(道路に関する禁止事項)
・みだりに道路を損傷し、又は汚損すること。
・みだりに道路に土石、竹木等の物件を堆積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。

 

また、道路法第30条及び道路構造令第12条では、道路を安全に通行するため、車道の上空4.5m、歩道の2.5mの範囲に通行の障害となる物(樹木、看板など)は置いてはならないと「建築限界」が規定されています。枝が伸びて隣地に越境した場合、隣地の所有者は勝手に伐採することはできませんが、民法第233条の「隣地の竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」との規定に基づき、剪定を請求することができます。

 

しかし、道路へのはみ出しについては、逆の立場になった第三者はこの規定で伐採を求めることはできません。これは道路管理の問題でもあるので、役所が対応すべきでしょう。交通上危険な突出であれば、道路の管理者及び所轄警察署へ申し入れすれば対応してくれるはずです。なお、私有地の生垣や庭木等の倒木、道路上に張り出た枝の落下等により、通行中の歩行者や車両等が損傷する事故が発生した場合には、樹木の所有者が責任を問われる場合がありますので、留意が必要です。

 

幸﨑不動産鑑定士事務所

不動産鑑定士 幸﨑 任宏

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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