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無形民俗文化財「世田谷ボロ市」に行ってきました - 評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二

 

毎年12月と1月の15日、16日の両日に開かれる「世田谷ボロ市」は、世田谷区1丁目の大場代官屋敷表門前を中心として天祖神社、上町まちづくりセンター、年金事務所から世田谷中央病院に至るボロ市通りを含め、世田谷通りの南裏筋界隈の路地に約700店舗が臨時出店して、公称述べ80万人を超える人出で賑わいます(せたがやボロ市保存会資料より)。このボロ市の始まりは今から430数年まえに開かれた「楽市」に遡ります。これは代官である大場家が保存してきた天正6年(1578年)9月、小田原北条氏政が世田谷新宿あてに発した「楽市掟書」がこのボロ市の起源であることを物語っています。当初は「六歳市」として始まり「歳の市」となり時代の流れとともに変遷して明治時代の終わりごろから「ボロ市」となり東京の風物詩として徳富蘆花の「みみずのたはこと」にも取り上げられました。現在は無形民俗文化財(風俗慣習)として平成6年に世田谷区の指定、さらに平成19年に東京都の指定を受け、「せたがやボロ市保存会」により保存、運営されています。なお、東京都内には神社仏閣が主催する浅草寺の羽子板市、ほおずき市や鬼子母神の朝顔市、オオトリ神社の酉の市、日本橋のべったら市など数多くの歴史ある市が続いていますが、地元の人々により運営されてきた市は珍しく東京都の指定民俗文化財は初のケースといわれています。

 

世田谷ボロ市通り

12月15日(月)14時過ぎにボロ市通りに到着、人の波であふれておりましたが5~10列縦隊にて出店をひやかしながら「ボロ市」の雰囲気を存分に味わいました。陶器、磁器、骨董品、玩具類、植木類、衣料品(語源となった古着類?)、神棚、杵臼、日用雑貨等考えうるもの殆どが廉価販売されていました。なお、中心に位置する代官屋敷(母屋と表門は国の重要文化財指定)に所以する「名物代官餅」を購入しようとしましたが、4列縦隊で百数十人がならんで待っていましたのであきらめました。なお、歩き疲れたときは、世田谷代官屋敷の邸内は比較的人ごみが少なく一息いれることができました。1月15、16両日にも開催されますので再度訪れたい(今度は代官餅を確保すべく)と考えております。

 

さて、このボロ市通りの路線価についてですが、この通りは普通商業併用住宅地区となっていますが、現状は路線店舗も不連続、通行車両、人の流れも比較的すくなく閑静な地区となっています。平成26年度の相続税路線価ではボロ市通り全般が同価格で普通商業・併用住宅用途、借地権割合70%となっています。これに対して固定資産課税評価路線価ではボロ市通りの東入口(世田谷中央病院)から代官屋敷区画までと代官屋敷区画、上町まちづくりセンターまでから西入口(世田谷通り)までと、概ね5ブロックに分割して価格設定、約5%程度格差をつけています。固定資産課税評価においては現況利用に合わせて区分して評価しているのでしょうが、相続税路線価評価との整合性も勘案すべきとおもいます。興味があれば、ぜひ「世田谷ボロ市」を訪問してみてはいかがでしょうか。

 

評価コンサルオフィス・ケン

不動産鑑定士 桂 健二

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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