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平成時代の「限界都市」について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

 

平成時代は高度成長、バブル経済に踊った昭和30年以降を引継ぎながらバブル経済がはじけて日本の針路を模索し続けた時代と言えます。既成概念を排除しつつグローバル化とデジタル化が急成長してきましたが、細川内閣、小泉内閣、民主党内閣と平成の半ば頃まで日本の針路が不透明のまま、国内の経済環境が停滞していた時代でした。

 

平成時代の「限界都市」について

こんな中増加の一途だった人口が平成20年の1億2,808万人をピークとして減少に転じて約60年後には7割程度の約8,800万人に減少するのではないかと予測されています。同時に少子高齢化が急速に進み、人口のボリュームゾーンは平成元年には40代と10代にありましたが、平成30年には65代と45代となり高齢者側に偏り、30代以下が細っています。

 

さらに世帯構造からみると夫婦と子供の標準世帯数割合が40%から27%に低下し、単独世帯数割合は20%から35%に増加し最多となり、65歳以上の単独世帯数が急速に増えています。65歳以上の高齢化率は26%から38%に上昇して国家全体が確実に老いていくと予測されています。

 

この「少子高齢化」問題と「空き家、所有者不明土地」問題が併合して北海道夕張市のような高齢化率が50%を超える「限界集落」が全国に増加、地方創生が急務となってきました。

 

このため、平成時代の市町村大合併が促進され、市町村数では平成11年度末3,232から平成22年度末1,727に1,505減少、減少率50%以上が26県、40%以上を含めると47都道府県の7割に達しました。

 

しかしながら合併による「限界集落」の再生は容易ではなく、空き家(古民家)利用の事業化、民宿、カフェ、レストラン、コミュニティセンター等のNPO法人化で経営して地域活性化による再生活動が行われています。平成時代の後半から大都市圏の都市部にも「限界集落」に類似した現象が見受けられる老朽ベッドタウン、大規模公営住宅団地が現われ高齢化率が極端に上昇しています。

 

いわゆる「限界都市」の再生も喫緊の課題となっています。ただ言えることは、昭和の時代のように、人口が集中増加、経済も高度成長、所得倍増、税収増加等による国民生活サービスの充実と言った生活水準を維持することは困難であり、「限界都市」の再生にはどの水準を目途とするかの針路を明示するが望まれます。

 

「限界都市、限界集落」の再生にかかる鑑定評価がある場合にはどの様に分析するか悩ましい問題です。ふと、新聞コラムの「遊遊漢字学」に書かれていた、世間で「すね者」としか呼べない人は、自分勝手で周りからみれば迷惑以外の何者でもないジコチュウであるとのことを思いだして、鑑定評価業務でも「すね者」と呼ばれないようにしたいものです。

 
 

評価コンサルオフィス・ケン

不動産鑑定士 桂 健二

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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