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地方創生と地価水準について- 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二

令和3年1月1日時点の公示地価は全国、全用途平均で前年比マイナス0.5%と6年ぶりに下落となりました。因みに昨年度は前年比プラス1.4%と5年連続で上昇でした。

 

公示地価が下落に転じた理由には、新型コロナウイルス感染症(以下感染症という)拡大による影響が大きく、2020年東京オリンピックに向けてのインバウンド観光客数増加とそれに伴うホテル、観光施設等の増加が停止状態に転化し、地域経済と国民の生活基盤が低迷状態になってきたこと、また、感染症による国民の意識と行動の変容など様々な影響が挙げられます。

 

地方創生と地価水準について-イメージ

この感染症拡大により、地方創生の「まち、ひと、しごと創生」施策に大きな変革が生じて令和2年12月に「今後の地方創生戦略」改訂版が内閣府事務局から発表されました。地方創生事業の観点から見れば、従前の地域再生方策である人口減少から増加、資金増加(ばらまき依存)、ひと・もの・しごとの東京一極集中是正による地域移転等が見直され修正となっていますので好ましいことと言えます。この改訂による地方創生が進展しますと、必然的に地域の地価水準に大きく寄与することになります。

 

感染症拡大により、①商業地では飲食、物販の店舗閉鎖、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進企業等によるオフィス縮小およびインバウンド観光客数の減少で店舗、ホテル需要の低迷で三大都市圏は前年比平均マイナス1.3%と8年ぶりの下落となりました。

 

②住宅地では新たにリモートワーク、テレワークの推進により在宅勤務が浸透して、大都市近郊の住宅、マンション需要が広がり地価水準の下落幅は小さくなり、また、千葉県木更津市、横浜市鶴見区、長野県軽井沢町などでは需要増加により地価水準の上昇が見られました。このように地方におけるサテライトオフィス勤務、テレワーク在宅勤務生活の普及など二拠点での居住、移住の新ニーズが見られました。
 

③工業地ではステイホームでおうち消費、ネット通販の急拡大で物流拠点への投資が行われて千葉県松戸市、福岡県筑紫野市の工場用地の地価上昇が見られました。
 

④企業活動のDX変化、テレワークの実施(東京都によると令和3年2月調査で従業員300人以上の都内企業で78%実施)が進展すれば東京一極集中が是正されます。例えば、パソナグループの本社が東京から兵庫県淡路島に移転することが発表されました。感染症拡大防止のもとでの、内閣府地方創生推進事務局による新たな地方創生の取組は次の通りです。

 

地方創生SDGsの実現などの持続可能なまちづくりを目標に①企業のDX②脱炭素(グリーン)社会③地方創生テレワーク④地方大学による人材育成⑤オンライン関係人口の拡充⑥人材派遣型ふるさと納税⑦スーパーシティ構想が掲げられています。いずれも地価水準の形成に直結しているもので期待しています。

 

評価コンサルオフィス・ケン

不動産鑑定士 桂 健二

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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