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北陸新幹線がインバウンドを連れてやってきた!! - 小西不動産鑑定所/小西均

 

「金沢」というのはあまり話題になったことがない都市だと思います。日本海側でひっそりと江戸情緒を残す、雪の似合う町。そういうイメージでしょうか。人口は46万人しかいません。

 

新幹線がインバウンドを連れてやってきた!!

そうした地が、昨年の3月、北陸新幹線が開業したことによって白日の下にさらされることと相成りました。4時間かかっていた東京との間を2時間半で結ばれたことで、気軽に関東の観光客が押し寄せました。その観光客の中で、インバウンドは1割程を占めます。北陸新幹線開業以来、金沢駅前でやたらと外国人の姿が目につくようになりました。兼六園に入った外国人の数をカウントしたところ、2015年は前年比127%に達したようです。

 

石川県は台湾からの人が多いのが特徴です。直行便があるからです。中国人は大型バスで兼六園に乗り付け、写メを撮って石川県にはあまり泊まらずにさっさと他県に移動します。出国する空港のある大都市で爆買いをするので、あまり売上げ効果は期待できません。そこで期待を浴びる存在が欧米系富裕層です。兼六園の入込客数をカウントした結果、欧州5か国の伸びが163%、米国が155%と大幅に増えたとのことでした。

 

石川県の観光に関する戦略を考えた時、欧米系の富裕層にターゲットを絞ってみるのもいいのではないかと感じました。理由は、駆け足のアジア系と異なり、欧米系は2週間程度のロングバケーションになるためです。北陸新幹線ができたことにより東京・金沢・大阪(京都)という黄金ルートができ、石川県を訪問し易くなりました。それに加え、ミシュランの旅行ガイドで「三つ星」に選ばれた日本の観光地がたまたま金沢近辺に集中しています。1番が兼六園の金沢市、2番が五箇山がある南砺市、3番が岐阜県高山市にある世界遺産の白川郷、長野県の国宝・松本城。いかにも外国人が好きそうなルートを、高速バスなどで結んで連携しています。

 

しかし、現実はホテルやバスが足りません。金沢市や石川県の観光戦略を担う担当者は、「量を追うのではなく質を求める必要がある」と言っています。国際観光都市を訪れる人は、15%位の割合で四つ星以上のラグジュアリーホテルに泊まるということが、この間の鑑定シンポジウムで発表されました。金沢市に四つ星以上の外資系ホテルはないため、機会を損失しているのではないかといわれており、金沢市は、JR金沢駅に隣接する8,000㎡の土地に、外資系高級ホテルを誘致しようとしています。

 

江戸情緒や食文化、能登の手つかずの自然、加賀の温泉文化を味わいに、ぜひ石川県においでくださいね。

 

小西不動産鑑定所

不動産鑑定士 小西 均

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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