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「令和」の初めに観測する不動産市況の今後 - 森島不動産コンサルタンツ/森島義博

 

長期的な不動産市況を見るには、国土交通省の「不動産価格指数」が参考になります。今年の指数を見ると、2013年4月から始まった異次元の金融緩和策を契機に全ての用途での不動産価格が上昇しており、現在においてピークに達している、あるいはピークアウトしていると言った状況は読み取れません。

 

しかし、次のような短・長期的観点から、もうそろそろ不動産市況の転換期が来るのではないかとの観測もなされています。

 

「令和」の初めに観測する不動産市況の今後

①金融政策がそろそろ変更されるのではないか。安部首相は自分の任期中に終了させると明言している。

②公示価格の最高地点(銀座4丁目)が㎡当たり5,720万円となり、リーマンショック前の同3,900万円を大幅に超えている。これは行き過ぎではないか。

③マンション価格の高騰がすごい。1戸1億5千万円超はすでに一般実需を超えている。

④少子高齢化の進展による景気後退。ただし、東京への人口流入は底堅く、人口が原因の都心部不動産価格急落の可能性は少ない。

⑤2019年1-3月期の全産業の業況判断DIは、▲14.9(前期比1.1ポイント減)となり、2期ぶりに低下。不況感あり。

⑥東京のビル市況。空室率は低水準でほぼ横ばい。新規成約賃料は引き続き上昇するが、上昇ペースは鈍化するとされている。

⑦消費税増税による景気減退と東京オリンピック関連の8兆円にも及ぶ投資が終わった後の景気低迷予測。

⑧不動産価格の10年変動周期 (1960年)池田内閣による所得倍増計画の時期・高度成長期 (1972年)田中内閣による日本列島改造論の時期 (1985年)バブルの時期 (2000年)不動産金融商品化に伴う価格上昇(ITバブル)

 

以上のように日本の戦後の不動産価格はほぼ10年ごとに高騰と下落を繰り返しており、現在の立ち位置は、2008年リーマンショックからほぼ10年目に当たる。

 
 

また、以下のような観測から、この先1~2年に向けての不安感が醸成されてきていると思われる。

 

①現場の肌感覚。即ち、中古マンション市場における売却物件の在庫数が増加している。銀行の不動産融資姿勢が厳しくなってきている。

②世界情勢が厳しくなり、不動産市況への攪乱要因が多くなった。

 

しかしながら、海外での急変がない限り、また、バブル時における1990年の総量規制のような不都合な政策が採られることがなければ、不動産市況の低迷もソフトランディングできるのではないか、その可能性は高いと考えています。

 
 

森島不動産コンサルタンツ

不動産鑑定士 森島 義博

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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