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マンションストック長寿化補助事業への取組み - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

国交省の『マンションストック長寿化補助事業』が、新型コロナ感染拡大の中、昨年応募が締切られ、本年6月末には採択事案の報告がまとめられる。

 

この事業には、①計画支援型と②工事支援型があるが、私たちの専門チームは①に参加した。計画支援型は、現存する中古マンションの中から、具体的に対象となるマンションを特定し、当該マンションの管理組合の同意と協力を得て、自然科学、建築、設備や不動産評価の専門家で構成されたチームが当該マンションの長寿化に最適かつコスト面で実現可能な提案を行うケーススタディ型の事業である。

 

マンションストック長寿化補助事業への取組み

さいわい、築後27年を経過し大規模修繕を検討しているマンション(の管理組合)とコンタクトが取れ、この補助事業参加に、マンション住民側の賛同が得られた。我々専門チームの調査・立案に関わるコストは国から補助されるので住民側の金銭負担はないが、マンション新築当時の図面類の資料や修繕履歴の開陳、大規模修繕に関する住民アンケートの実施などに協力して頂かねばならない。当マンションはK県P駅の徒歩圏で、すぐ横をQ川が流れており、過去にこの川からの出水により一階部分に浸水を被る履歴を持つ。ハザードマップからも水害危険地域に立地する旨が読み取れる。

 

そこで、私たちは、浸水被害防除の工事を主眼とする改修計画の提案を行うこととした。最近、気候変動による集中豪雨に起因する水害が全国各地で起きており、ハザードマップ情報等、災害リスクへの関心が高まっている。マンション市場においても、すでに土壌汚染や耐震性リスクの診断が定着したように、浸水被害リスクの把握が重要性を増して来ると思われる。これを先取りした本件ケーススタディは有意義と判定され採択されたのである。

 

まず、浸水シミュレーションを実施し、確率的にGLから85cmの高さの浸水を想定すれば良いと判定し、これを前提に、水没を免れない配管類等の劣化対策、電気、ガス、空調、衛生等の設備で水没する機器類の安全な高さへの付替、浸水を防御する止水板の必要箇所への新設、非常電源やマンホールトイレの確保等を計画し、一方で、既存建物の残存耐用年数の診断と補修すべき部位等の実査結果に基づく改修プランを作成、加えて負担可能なコストとの擦り合わせを行うとともに計画実行前後の不動産鑑定評価の比較を試みた。

 

以上、各専門分野の調査結果を踏まえて鑑定評価が可能となったが、本件では、当該改修施工後、マンション評価額は10%上昇と求められた。

 

鑑定法人エイ・スクエア

顧問・不動産鑑定士 澁井 和夫

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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